僕はネガティブだけど、それなりに充実した人生を生きたいと思う。

「ネガティブ」で片づけず、自分の観察を続けたい。

「ぶってる(笑)」というコメントが怖かった過去、克服した今。

 「イジり」と並んで昨今よく耳にする言葉がある。「ぶってる(笑)」というそれである。

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定義が難しいが、僕の感覚では以下のように感じている。

 

注目されたい、モテたい、カッコつけたい、とかを主な理由として、大した思い入れが無いまま何かを知ったかぶる人への嘲笑

 

 ―なんか厨二病に似ている。まぁいい。新出の言葉なので、定義があやふやなのは当然か。

 

で、僕はこういう「ぶってる(笑)」と思われることが、かつてはとてもとても怖かった。

 

人見知りからすれば、他者評価は人生の通信簿に等しいのだ。だからとにかく重大に感じ、受け取り、常日頃から気になって気になって仕方がない。

 

―ただし、最近はほとんどその他者からのコメントを克服できつつある。年を取ったからというのも大きいが、それだけが理由ではない。

 

そこで今日は、それを打開したきっかけや方法なんかを、思い出話を交えてご紹介する。

 

 

  

かつての僕。

 

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ざっくり大学2年生くらいまでは、「ぶってる(笑)」と思われることが怖かった。

 

「オマエごときがそんな高尚なことを語るとかお笑いなんですけど(笑)」と同じ意味に聞こえていた為だ。

 

謙虚を吹っ切り、自分を卑下するのは人見知りの得意技である。だから、色々な質問に対して本音で答えたことはあんまりない。

 

Q.朝とか、普段家で何しているの?

A.寝てるっす。

(本当は英文の音読や読書が日課。意識高い(笑)と思われたら怖い)

 

Q.好きな音楽は?

A.○○(適当な流行りの音楽)っすね~

(本当はゲームのBGMが大好きで、サントラを結構買う。変なの(笑)と思われたらめんどくさい)

 

Q.スポーツは何かするの?

A.しないっす。

(本当は健康維持のため筋トレは継続している。ナルシスト(笑)と思われたらだるい)

  

これを見ても、20歳の自分は、ミステリアスな男というより闇に足が生えただけのようなクソだったと感じる。

 

ではそんなゴミ野郎がどうして今や、「ぶってる(笑)」怖い病を克服したのか。

 

それは次項に纏めたことに気付いたのが大きい。

 

「オマエは何が楽しいの?」

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基本そうやって人の趣味嗜好を茶化してくるヤツは、特に頭で何も考えていないものである。

 

「イジっておけば面白いだろう」程度の判断で、便利な言葉として「ぶってる」を選んでいるような気がしてならない。

 

だから、そういった言葉を吐くヤツは大抵理由を添えてこない。理由などないからだ。

 

あとはいじめっ子の論理で、いじめていればいじめられる側に回らないという姑息な考えもあるのかもしれない。

 

自分の世界という、大事だけど脆いモノに触れさせない為には、他者のそれを攻撃する側に回れば良い。

 

そういった怖さとか後ろめたさが、上記のセリフとなって出てきているんだよ。

 

・・・っていう説教を友達からされたのがきっかけである。

 

彼も大学に入るまでは結構悩んでいたそうだが、読書中に出会った文言をヒントに、自分で自分を納得させる答えを出したそうな。

 

それはまるで自分の言葉で考えたかの如く頭にスッと入ってきて、心底腑に落ちた。

 

ぶってると言われた側にとっての不幸は、まず、好きなモノを好きと言えない状態になること。

 

そして最悪、恥ずかしさ等がそれを好きと思う気持ちを超えてしまい、自分が思いを注いでいたものを捨てることにある。

 

何故そうなるのかというと、『ぶってる(笑)』という言葉に対し、こちらからの反撃の術がないように思えるから、というのが一因かなと。

 

ということで、せっかくだし、僕もたまに使う反撃の術をご紹介するとしよう。それはざっくり2つある。

  

①「ははは」でスルー。構ってあげるのは時間の無駄。

 

②「あなたは何をしているときが楽しいんですか?」と訊き返す。

 

①は一番省エネな反撃である。構ってちゃんへの効果抜群の反撃は、『構ってあげないこと』である。

 

②は、結構痛打になる。結構な確率で口ごもることが多い。

 

理由は、自分が入れ込んでいるモノが無いことのコンプレックスの裏返しとして「ぶってる(笑)」という茶々を入れるヤツが割と多いからである。

 

―では逆に、喜々として返してくるヤツはどうすれば良いか。

 

僕はその内容全てを、「ふーんへーはいはいなるほど」を適当にローテして無視している。

 

興味が無いからだ。

 

とりあえず気分よく発散させてやれば、面倒なヤツは満足する。・・・と、僕は思うのだがどうだろう。

 

現状。

  

最近、僕の趣味に茶々を入れるアンポンタンは滅多に居なくなってきた。平和な日々である。

 

たまに日常のことを聞かれても、僕は正直に答えている。

 

英文の音読はまだ続けています。とか、

 

デジタル一眼レフ持って散歩してます。とか、

 

英検一級目指して勉強始めました。とか、

 

月に4,5冊本を買っています。とか、

 

まぁそんなである。

 

余談だが、こういうのに対して、「スゲェ!」と乗ってきて、僕を褒めてくれたり尊敬してくれたり認めてくれたりする人は、人格者が多い。

 

組織内において地位を持っている人とか、人徳がある人は、本当に些細なことでも感心してくれて、何か嬉し恥ずかしである。

 

これはきっと、僕の自己重要感が満たされているからなのだろう。徳を積むとはこういうことかと独りごちている。

 

ということで脱線したので纏めると、

 

・「ぶってる(笑)」と言ってくるヤツは、考えが浅いか何かしらのコンプレックスを持っているかのどちらかであることが多い

 

・そんな質問をされてもスルーが基本。たまに「何している時が楽しいの?」と訊き返して反撃。

 

・アナタに茶々を入れてきたヤツは、それすら数分後には忘れている。そんな程度のことに意識を向けるだけ無駄。

 

・逆に、人がそういうプライベートなことを教えてくれた時は、認めてあげると好印象。

 

とかこんなであろうか。時たま言葉が強くなったが、正直この手の輩は嫌いなのでやむ無しである。

 

そんな訳で僕はこれから、英文をちょいと音読してから仕事に出ようと思う。

 

我を何とも言わば言え。

 

ここ数年はこの域に達することが出来て、いささか人生が楽である。

 

「ぶってる(笑)」と人をゆび指して笑う時、そいつの親指と人差し指以外の三本は、自身を指している。

 

言葉は何事もブーメランなんだな、と感じる次第である。

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若林 正恭

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