卒業シーズンである。僕自身は冷血人間なので、卒業式で落涙といった思い出は皆無だが・・去来しないものが無いといえばウソになる。
行きたい高校に受かり安堵した日。憧れの大学に受かり歓喜した日。この辺りの記憶は、結構鮮明に蘇ってくる。
だが、卒業と出会いは表裏一体。色々な区切りを迎えた後は、人見知りには恐ろしいシーズンが始まるものだ。
『新たな環境で友達を作る』
入学してしばらくのモラトリアムの間にこれに失敗すれば、孤独な新生活が始まることにも繋がる。
怖くて仕方ない話だ。僕は友達がいなくても平気、と胸を張って言い切れる強心臓ではない。
けれど、振り返れば一応、そういう辛いスタートを切ることはなく、ここまでのらりくらりと生きてこれた。
ぶっちゃけ、気を付けたことは3つだけ。それで結構マシになる。
ということで今日は、新生活を控えた人見知りに向けて、手前みそなアドバイスを書いてみる。
共通する話題を探し出す。
他者と話す機会は、思考さえ停止させなければ案外平等に割り振られるものだ。
席の前後左右、同じゼミ、同じ係、などなど。そういった偶然のチャンスは、逃さないようにしたい。
会話のチャンスを得たら、ぜひとも探し出したいもの。それは、互いに『共通する』テーマだ。
これは正直なんでもいい。ハマっているドラマ、部活、出身地、アニメ、好きなスポーツ、などなど。
これを探り当てるまで、話題をシャッフルしつつ諦めないことが大切である。
僕もたまたま、高校のとき隣の席になったやつにこれを仕掛け、好きなRPGゲームが同じという共通項を見つけてそのまま親密になった例がある。
そいつとは来週、飲みに行く。縁とは不思議なものだ。
ということでまずは、多少質問攻めみたいな感じになっても構わないので、『お互いに共通するテーマ』を探ることを意識しよう。
『いきなりそれはなぁ~』という人は、周囲の雑談に聞き耳を立てて、情報をキャッチしておくのも良い。
自分が知っている話題を周知なのを確認してから話しかけるのも、実際のところ悪い手ではないからだ。
ネットワーク式に関係を構築する。
何とか一人でも、独力で友人を作れれば、そこから紹介の連続で関係を広げることが可能である。
実際僕も、高校の友人関係は、ある数人のネットワークからどんどん広げていって構築したくらいだ。
彼らには非常に感謝している。僕も同じ中学校から進学してきた友達を紹介するなど、この辺りはギブアンドテイクを心掛けた。
0から1を作るのは、見た目以上にしんどいもの。でも、1を2にするのはそれよりは楽なワケで。
ということで、一人でも仲間を見つけられれば、その人が持っている人脈にまで目を向けてみよう。
勿論、自分の得だけ考えて、その最初の友人を踏み躙るのは言語道断と言っておく。
人間関係はギブアンドテイク。借りは速攻返し、貸しは忘れるくらいがちょうどいい。
それさえ守れるなら、意外と友達100人というのも身近なものなのかもしれない。
『流行しているもの』かつ『自分がハマれるもの』を磨く。
僕が高校生のとき、色々なものが流行っては廃れた。
恋空。京都アニメーションの作品。モンスターハンター。ディシディアファイナルファンタジー。
うーむ。趣味が偏り過ぎて、これ以上は思い出せない。
流行のものを押さえておくのは、広い人脈形成に欠かせないと思う。とはいえ、好きでもないものを齧っても、時間と金の浪費に過ぎない。
『流行しているもの』かつ『自分がハマれるもの』を徹底的に考えて、それに該当するものがあれば、それを磨き上げよう。
実際僕も、モンスターハンターにハマり倒した時期がある。高校の青春の7割はモンスターハンターといっても過言ではない。(今は熱が冷めて引退状態)
分厚い攻略本も買い、どこで何の素材が取れるとか、各モンスターの弱点個所や属性は何だとか、空で言えるほど覚えこんだくらいだ。
―すると、その噂はどこからか広まるらしい。
ある日サッカー部のイケてる集団からお声がかかり、『倒せんモンスターがおるから助けてくれ』と誘われることがあった。
校則違反だが、帰り道の適当な飲食店で、僕はそこのグループと狩りに出かけた。
無傷で尻尾を切断する手柄などを挙げ、僕は彼らと打ち解けた。イケてるグループとコネクションを得られたのだ。
関わってみると、案外悪い人たちじゃないとわかった。誤解されやすいだけなんだ。そう思い直した。
―ということで、『流行しているもの』かつ『自分がハマれるもの』というのは、あらゆる方面に交友を広める強力なツールになり得るものだ。
そういうのがもしあれば、来るべき日に備えて、実力を高めておこう。まぁ、楽しんで打ち込めば、勝手に力はつくと思うけれど。
終わりに。
進学。就職。転勤。
別れと出会いは表裏一体だからこそ、今日みたいなテーマを書いてみた。
僕は友達が多い方じゃ決してないけれど、独りぼっちで死んでいくのも嫌なアマノジャクだ。
―実際、おススメの方法は他にもある。『何部でもいいから集団に属せ』とかそんな。
ただ僕は、高校3年間を帰宅部で貫いた手前、自分がやらなかったことを書きたくなかったワケで。
つまり僕が心掛けたのは、本当に上記の3つだけだ。
結果、確か入学して1か月後には、10人程度の仲間がいたと思う。そのほとんどと、今でもつながりがあるくらいだ。
寂しい青春を送る人が、これで減ればいいな・・という大層な願いを持って、この記事を〆とする。