僕はネガティブだけど、それなりに充実した人生を生きたいと思う。

「ネガティブ」で片づけず、自分の観察を続けたい。

考察・調査・検証の繰り返しは面白い。『ご冗談でしょう、ファインマンさん。』

 

今でこそポンコツの域にまで知識が消えてしまったが、中学生までは理科がものすごく得意であった。

 

幼い頃から身の回りの自然や現象に不思議と興味があり、同時に『何故?』と思うことが出来ていたからというのが理由では、と思う。

 

『何故月は満ちたり欠けたりするのか?』

 

『何故塩を溶かしただけの水では海水魚は生きられないのか?』

 

『何故酒を飲むと酔っぱらうのか?』

 

『何故食べ物には好き嫌いがあるのか?』

 

色々なことに『?』を付けて考えていた記憶がある。

 

一見すると大抵がどうでもいいのに加え、答えるのが面倒なのもあって、さぞ周りの大人や同級生たちは辟易していたに違いない。

 

最近でも、ちょっとしたことを疑問に思うときがある。

 

この間も、Wi-Fiってつまり何だ?』と気になり、色々と調べてみたりもした。もはやここは生来の気質なのだろう。

 

実際、こういう感性を持っていると、僕自身は結構楽しく生きられているのだが・・。

 

周りに言わせれば、『面倒な思考』らしい。確かに、疑念を持たず色々吸収する方が楽だけれども。

 

人に理解してもらおうとしても、クセが強い思考だからか、そしてなんだかんだで文系の道へ進んだからか、あまり同意を得ていない。

 

口惜しい。

 

しかし、最近そんな僕の伝えたいことがほぼそのまま書いてある良書があることを思い出した。

 

そんなわけで、今日はいささか久しぶりの、読書感想文である。

 

 

  

『科学の面白さ』を『生き様』から学ぶ。

 

それがコチラ。『ご冗談でしょう、ファインマンさん』という本である。

 

 

出版されたのはやや昔だが、一体どんな話なのか。

 

商品紹介ページから引用する。

 

20世紀アメリカの独創的物理学者が、奇想天外な話題に満ちた自らの体験をユーモアたっぷりに語る。持ち前の探求心と、大のいたずら好きは少年時代から変わらぬまま。大学時代や戦時下の研究所生活でも、周囲はいつもファインマンさんにしてやられる。愉快なエピソードのなかに、科学への真摯な情熱を伝える好読物。

 

―なかなかピンと来ないのではなかろうか。そもそも、ファインマンという人が誰なのかという話である。

 

では続けて、そのファインマンなる人について簡単に引用して説明する。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/41/Richard_Feynman_ID_badge.png

リチャード・フィリップス・ファインマンRichard Phillips Feynman1918年5月11日 - 1988年2月15日)は、アメリカ合衆国出身の物理学者である。

 

カリフォルニア工科大学時代の講義内容をもとにした物理学の教科書『ファインマン物理学』は、世界中で高い評価を受けた。また、『ご冗談でしょう、ファインマンさん』などユーモラスな逸話集も好評を博している。生涯を通し、抜群の人気を誇っていた。

 

 生涯を通じてユーモア溢れる語り口で有名であったが、それは死に際まで変わらず、最後に口にした言葉は“2度と死ぬなんて、まっぴらだ。全くつまんないですから(I'd hate to die twice. It's so boring.)”であった。

 

リチャード・P・ファインマン - Wikipedia

 

 

僕には理解できないレベルの業績を残しており、もはや偉人のレベルである。

 

人柄はユーモアにあふれ、色々な人を笑わせ、色々なものに興味を持ち、そしてその全てを楽しんできたのだろうなと言うのが、そのエピソードから伝わる。

 

そして、彼の彼による人生の振り返りを読んでいく中で一番感じ取ってほしいのが、『科学の面白さ』だと僕は考えている。

 

話を読んでいくと、ごく自然に、彼は幼い時より、『科学的なアプローチ』をしていることが分かる。

 

疑問を持つ。自分なりに仮説を立てて、検証する。結果を踏まえ、更なる改善を加える。以下、繰り返し。

 

一つ、また一つと物事が分かっていく感覚。もはやそれは快感に近いと僕は思っている。

 

形式ばって書くと、どうにもカタい話になって伝わりにくいテーマなのだが・・・。

 

彼の生き様があまりにもユーモラスであり、普通に読み物として申し分なく面白い。

 

やや字体が古かったり、ページが分厚かったり、上下巻に分かれていたりするが、とても読み易いのもあり、難儀せずにサクサクと進む。

 

それを楽しむ中で、ごく自然に、『科学的思考の面白さ』やその『大切さ』が伝わってくる。

 

自分がそんな好きでもなければ興味もないことでも、それをとても楽しそうに語る人を見ていると、不思議と心が動かされる―そんな感覚だろうか。

 

読み物として面白いのにも加え、あらゆるものに興味を持つきっかけにもなるという意味で、この本はとてもオススメできる。

 

理科が苦手だろうが得意だろうが、そんなのは関係ない。ぜひ、一度手に取って読んでみてほしい。