対人関係に関する恐怖。止まらないネガティブ。鬱々とした気持ち。
その全てに共通する元凶の存在があるという。
それは、『反芻思考』である。ざっくり言えば、後ろ向きで不健康な思考が、何度も脳内で繰り返され、膨らんでいく感じである。
例えば、以下の思考の流れは反芻思考にあたる。
○○さんと話したいなぁ→でも、どうせ俺なんかが話しかけても迷惑なだけだろうなぁ→そういえば大した用事、ないなぁ→やめとくかぁ→意気地なしの俺って・・
どうだろうか。ネガティブがネガティブを呼ぶこの感覚。不健康極まりなくて、活字にすると吐き気がする。
では、自分にそんな気がないか、よくよく思い出してほしい。些細な不安からスタートし、気づけばネガティブなことを30分考えていた・・とか。
そんな経験がある方が多いのではなかろうか。(特にこのことをテーマにしているこのブログを読まれている方であれば)
この『反芻思考』は、鬱病の根本原因でもあるという。自覚し、止めなければ、精神衛生上極めて悪い。
ということで今日は、このめんどくさい反芻思考の止め方について、以下具体的な策をまとめてみる。
忙しくする。
反芻思考を断つ一番簡単な術は、『没頭』である。
仕事中であれば、タスクの期限を短くするなど、集中を要する状況に持っていくとか。
自宅にいるときであれば、例えば趣味に没頭するとか、体を動かすとか、そういうのがおススメだ。
やってみるとわかるが、ネガティブのループから一瞬でも意識を切り替えられると、反芻思考からの脱出はほぼ成功と言える。
好きでたまらないことや、せねばならないことを抱えているときなど、まずはこれから試してみよう。
書き出す。
『不安』のめんどくさいところは、実体がないため、『わからないから不安』というループを生み出してしまう点にある。
人間はそもそも、『よくわからないもの』に強い不安を覚えるらしい。例えば、未来とか、他者の気持ちとか。心当たりはないだろうか?
・・・となれば、形を与えてやれば、不安を何とかする一助になると言い換えられる。
よって、WordやExcel、なんなら適当な裏紙でもいい。頭の中にあるもやもやを吐き出してしまうのが効果的だ。
実際僕もたまにやってみるのだが、活字にすると、不安は驚くほどしょうもないことが多い。(あるいは考えても無駄なこと)
書き出したそれに、対処策を添えてやれば、不安をポジティブに活用することだってできる。
何事も使いようなのだろう。
おススメな方法は、5分タイマーで計り、一気に書き出すことである。こうすると集中状態(≒没頭)に入りやすくなり、一石二鳥となる。
ポジティブに解釈する。
ここまで悪者みたいに書いてきた反芻思考だが、実は使いようによっては大切な考え方に昇華する。
反芻思考が精神的に悪いのは、『ひたすら自分を責めるループが出来上がるから』である。
○○さんに話しかけたい→話しかけられない俺はクソ
みたいな。実はこれ、論理の飛躍も甚だしい。話しかけたいのであれば、実際のところ、『具体策』を考えるべきだ。
つまり、精神的反省など後回しにすべきである。
例えば、奥手な人なら、以下のように自分への問いかけを変えてみよう。
○○さんに話しかけたい
↓
『では、どうしたらいいと思う?(第三者的な目線で自分に問いかけるのもコツ)』
↓
仲の良い友達に仲介してもらう?提出物の有無など、さりげない話題で確認する?それとも姑息だけど、落とし物を拾ってもらう?・・・
どうだろうか。思考の質が大きく変わったと思われないだろうか。(打開策のクソっぷりはさておき)
こういう思考の流れは、訓練すればだれでも可能らしい。実際僕も、うんちだった高校時代よりは、反芻思考を使いこなせている自負がある。
反芻思考を打ち消すだけではもったいないと思われるなら、こういった考え方もありである。
推薦図書。
何度も紹介しているが、本格的にネガティブによるストレスを打ち消したければ、この本が絶対に良い。
ここに載せた話もいくつか、より具体的に乗っている。費用対効果は、正直去年買った本の中で一番高いもののひとつである。
終わりに。
ネガティブがネガティブたる所以は、驚くほど無意識なことが多い。
『自分は反芻思考をしていないか?』
まずはこういう問いかけから始め、心当たりがあれば手を打とう。(ちなみに僕はよく、寝れない夜や、暇な時間に湧き上がってくる傾向がある)
人見知りネガティブ諸氏の心を軽くする一助になれば幸いである。