僕はネガティブだけど、それなりに充実した人生を生きたいと思う。

「ネガティブ」で片づけず、自分の観察を続けたい。

人見知りだけど何故か英検一級に合格したからまとめてみる。 二次試験・面接編。

私事の報告。実は過去の記事でちょこちょこほのめかしていたが、2018年度第3回試験で、英検1級に完全合格した。

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気付けば過去のこの記事がランキング上位に来るようになっているので、なんだかんだで体験談には需要があるのだろう。

 

ということで、次にあるのは二次試験・面接という時期なので、僕の体験談をうだうだとまとめてみようと思う。

 

 

  

英検1級の二次試験は、今までとどう違う?

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公式HPによると、英検1級のレベルは以下のように書かれている。

 

広く社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる。

 

―よくわからないと言うことで、今までの級の『面接』と違うところだけを列挙する。

 

①1:2の面接になる!

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個人的に一番ビビッたポイントだ。1級になると、面接官は『日本人と外国人が一人ずつ』となる。もはや軽い圧迫面接で、最初はと~にかく怖かった思い出がある。

 

②試験内容は、スピーチ→Q&Aの応酬! 

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試験内容は極めてあっさり書かれている。

 

与えられた5つのトピックの中から1つ選び、スピーチを行う。(2分間)

 

 

スピーチの内容やトピックに関連した質問に答える。

 

というもの。『な~んだ』と思うかもしれないが、問題はその内容だ!

 

例)

 

原子力発電は推進するべき?

 

食肉って道徳的にOK?

 

日本の年金制度は持続可能だと思う?

 

絶滅動物の復活は是か非か?等々・・

 

日本語でも答えることに難儀する。そんなのを英語で伝えないといけないので、練習しないとかただの金ドブ。

 

しかも、その内容について制限時間いっぱいまで(入室からざっくり10分)、両面接官からQ&Aが飛んでくるのだ。しかも、意見に対する矛盾を突かれることもある!

 

そして知識が無いとそもそも答えられるわけがない。英語力以前に問われるところはてんこ盛りだ。

 

―内容は上記の具合。尚、今回の対策において、前評判がめちゃくちゃ良かったこのテキストを使うことにした。

 受かった今の感想だが、これをやりこめば合格は確かにカタいなぁと思う。ただ、使い方に少し注意が要るかなと。それは後ほどお伝えする。

 

では、以下いよいよ僕の具体的な体験談を述べていこう。

 

2018年度第2回は普通に落ちました!

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上記のテキスト、買ってから気づいたが、かんなりのハイボリュームであった。(あらゆる可能性を網羅するとそうなるのだろう)

 

毎日25~30分を例文の音読と暗記に充てたが、ボリューム然り、内容の難しさ然り、さらには一次試験に受かってるかどうかの不安もあり、どうにも集中できず。

  

しかもところどころ、試験官から予想される反論もテキストにあるにはあったが、それに対する答えは載っていなかった。

 

そこを自分で調べて答えを埋めて・・というのも行うと、時間は正直全く足りなかった

 

しょうがないので、自分の中に知識が0のもの、全く暗記ができないものを切り捨てることにした。

 

スピーチのトピックは5つ掲示される。それを選ぶのは自分なので、分からないところに突っ込まなければ勝てる!そう思ったのだ。

 

―で迎えた本番。

 

僕は自分なりに踏ん張ったつもりだったが・・・・正直、終わった直後に落ちたことを確信した。

 

んで2週間後、僕は『不合格』の3文字を叩きつけられるのであった。 

 

その時の敗因とは?

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まず、例文を暗記するつもりで学習したことだ。これは・・大きくしくじったなぁ、と。

 

確かに、上記のテキストの例文は、ひねった文法が無く極めて使い勝手が良かった。

 

だが面接とは本来アドリブなもの。本来は、覚えた例文を基に、即興で回答を作り上げる訓練が不可欠だ。

 

その訓練を抜かったのは・・大きな後悔ポイントである。(時間が足りなかったのもあるが)

 

しかし、一番の敗因はそこではない。

 

僕は面接のテーマで、確か『世界平和とは実現可能か?』というのを選んだ。これは上記のテキストの予想例題にまんまあったのでそうしただけ。

 

―確か、否定のポジションを取った。

 

核兵器が世界に存在すること、宗教上の対立が消えないこと、貧困問題の拡大が止まらないことを理由とした覚えがある。

 

そうしてスピーチをドヤ顔で終えた僕に襲い掛かってきたのが、試験官からのエゲつない返しであった。

 

『You said, "religions are two edged sword". Could you tell me the other side of religions?』

 

(あなたは"宗教は諸刃の剣である"と言いましたね。宗教の別の面について教えてもらえますか?)

 

とかそんな。これには思い切りテンパった。何故か?僕が真っ先にテキストから"捨てた"テーマが『宗教』だったからである。

 

僕は宗教について、スピーチ内で『価値観の相違から紛争の遠因になっている』と言ってしまっていた。

 

そこを思い切り突かれたのだ!良い面とか、急には出ない!

 

当然回答もしどろもどろ。二回訊きなおして時間を稼いだが答えはでず・・

 

結果、Q&Aが大きく凹み、全体の不合格に繋がったのだ。(スピーチは8/10あったので、そこそこだったみたい)

 

こうして僕は、次回の合格を目指し、再度学習に取り組むことになるのであった。

 

2018年度第3回に備えて取り組んだこと。

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 まずは、スピーチとQ&Aのクオリティを底上げする必要があると強く感じた。

 

朝は25分、Q&Aのみをひたすら音読して練習した。内容は、『質問』を見て、即興で答えを作る―という訓練を繰り返すだけ

 

この際、自分の意見が言えていれば、テキストの例文や内容と違っても良しとすることに決めた。(今思えば最初からそうするべきだった)

 

そして、仕事に向かう車内では、延々とシャドウイングと模擬スピーチを繰り返した。(テキストにはCDがついていた)

 

音声で質問を聴き、そのタイミングでCDをミュートにする。で、自分の意見をその場で言う・・という学習法

 

もちろん、各トラックはランダムにしておいた。今思えば、こういう即興の対応力を鍛える訓練が、一番合格に繋がったと感じる。

 

尚、スピーチは寝る前に、本番の形式で3つほど練習し続けた。

 

1分で内容を組み立てて、2分で喋る。それだけだ。もちろんタイマーはセットすること!

 

また、練習を繰り返していくうちに、僕はどうにも『宗教』と『芸術』が苦手なテーマだと分かった。まぁ、興味が無いからなのだが。

 

だが、前回ここが致命傷になっている手前、放置はできない

 

ということで、このトピックは、自分が覚えやすい理由に変えたり、内容を削ったりで対応した。つまり、丸暗記作戦だ。

 

―雑多になったので、僕が不合格から次の試験までの大体4ヶ月で取り組んだことをまとめてみる。

 

①テキストにある例文が即興で出てくるまで、反復練習を重ねる!(その際、理由や内容の差異は無視)

 

②自分が苦手なトピックにも、とりあえず答えを作っておく!

 

③必ず音声を使い、そしてタイムトレーニングも行う!

 

 

こんな感じ。毎日の学習時間の総計は、ざっくり45分程度である。

 

さてさて。事項では、第3回試験の内容を、セキララに振り返ってみようと思う。

 

勝因を分析する。

 

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迎えた第3回試験。居住地の山口では受験できなかったので、広島の実家に帰って受けに行くことになった。

 

そこがたまたま家から歩いて行けるほど近かったので、めっけもんである。散歩しながら会場に行けて、頭は良い感じにクリアになった。

 

ちょっとばかしギリギリについたので、到着から試験まで30分くらい待たされた。仕方ない。

 

この間は、過去問の応答を脳内でシミュレーションするなど、面接に向けてアイドリングをしていた。

 

いざ試験が始まると、中に居たのは『優しそうなおじさん(以後マサオさんとしよう)』と、『厚切りジェイソン似の長身の外国人』であった。

 

この外国人(マードックさんとしよう)は無茶苦茶気さくというかフランクというか・・

 

僕が入室してハローというか言わないかで『Hello! Please have a seat!』と言っちゃうタイプだった。

 

僕は急ぎ着席し、簡単な質疑応答からスタートした。

 

自己紹介を求められたので、『山口県で塾の先生をしてます』と答え、指導科目を伝えた。

 

その後、好きな歴史の出来事を聞かれたので、『I like the battle of Okehazama!』とか適当なことを答えてお茶を濁しておいた。

 

次に面接カードを手渡されたのだが、その時気付いた。マードックさん、めちゃくちゃ背が高いのだ。

 

ルパン三世みたいなスタイルで、約2mの長身。おまけに見た目は厚切りジェイソン似という個性の強さ。

 

この人のおかげで、緊張のほとんどが吹き飛んだ。なんだろう。『Thanks so much, Mr.Murdock!』と言いたくて仕方ない。

 

さて。今回のスピーチのテーマ、実はかなり焦った。どれもこれも、一瞬で理由が3つ閃くものが無かったのだ。

 

※スピーチは基本、選んだトピックにまずイエスかノーかを答え、その後に理由を3つ述べて、最後に『For these reasons,~』で締めるのがテンプレである。

 

さてさて。かな~り悩んだ挙句、僕は『日本の年金制度は持続可能か?』みたいなトピックを、『ノー』の立場で選んだ

 

理由の1つ目は楽勝。『高齢者の人口は急激に増え続けている。』

 

2つ目もなんとかひねり出せた。『一方、労働者人口は減り続けており、税収も同様だ』

 

3つ目が・・・白状すると全くでなかった!仕方ないので、2つ目の理由と同じことを別の表現で述べて、無理やりスピーチを締めた。

 

正直スピーチはやらかしたが、Q&Aでいくらでも挽回できることは知っていたので、さっさとコチラに集中しなおした。

 

以下、覚えている限りの質問のやり取りを述べる。(以下のやり取り、もちろん英語で行っていマス)

 

マサオさん:『あなたは日本の年金制度は持続できないと述べましたが、ではどうすればそれを防げると思いますか?』

 

僕:『例えば移民を促したり、また女性労働者を増やしたりといった方法が有効だと思います。』

 

 マードックさん:『では、政府はどんな手を打つべきでしょうか?』

 

僕:『年金受給年齢を引き上げ、また先ほども言った通り移民を主導するなどが考えられます。』

 

マサオさん:『この問題について、税制面からのアプローチはありますか?(※うろ覚え)』

 

僕:『消費税を上げるべきだと思います。年齢関係なく、広く徴税できるからです。』

 

 

―そしてここで、マードックさんが爆弾を投下する。

 

 マードックさん:『あなたは何歳まで働きたいですか?』

 

―考えたことないなぁ。しょうがないから、本音を言おう。 

 

僕:『まぁ、死ぬまでですかね ^^ 』

 

・・これを聞いたマードックさんは、両手を広げ、ややのけ反り、驚いた表情で『Wow..』と言っていた。

 

お国柄か?どうなのだろう。『Until die?』と僕につぶやきながらびっくりしている。フォローした方が良さげだな。

 

僕:『でも、一般的には65歳で引退したいって人が多いですねぇ(笑いながら)』

 

と返しといた。その後、マサオさんが何かを言おうとしたが、ここでタイムアップが来て終了。

 

最後にマードックさんが、『遠路はるばる山口から来てくれてありがとう!』と言ってくれた。

 

Facebookを探し回り、友達申請しようかと本気で思ったくらい、マードックさんが好きになった日であった。

 

―正直、『ここまで答えて落ちるなら、俺は一生英検1級には受からない』と思うくらい、自信はあった。

 

だが同時に、やらかしたスピーチの印象がぬたりと忍び寄る。考えても仕方ないとは思いながら考えてしまう。

 

落ちたか?いや、受かったか?スピーチが7点あれば・・でも発音がどうだろう?

 

不安と安堵と、また不安。どうにもならないのはわかっているのに、自問自答が止まらない。

 

そんな日々を合格発表まで過ごしていた。

 

で、合格発表当日。その日は仕事だったため、それが公開されると同時に、仕事場でそれを見た。

 

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事務所で僕は変な声を出してしまった。先輩たちが驚いてこっちを向いた。

 

何が起きたか分かった瞬間、その戸惑いは僕を祝う声になった。

 

心底嬉しい。報われた努力ってこんなにも気持ちが良いのか。そう思えた。

 

最後に。

 

でも、 そんないい話で終えることは期待されていないはず。冷静に結果を分析してみる。

 

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まず、一番上のスピーチから。やらかしたと思っていたが、普通に8点という合格ラインにいる。

 

これは、Q&Aで挽回が効いた確固たる証拠であろう。

 

実際、Q&Aは滅茶苦茶スムーズに進んだ。今だから思うが、僕はおそらくゾーンに入っていた

 

それくらい、質問は全て理解できたし、回答は瞬時に閃いたし、それをスラスラと言えたのだ。

 

これはきっと、車内で延々と繰り返した、『音声を聞いて回答を返す』訓練が効いたから。この練習は、本気でオススメだ。

 

そして、スラスラ答えられたからこそ付いてきたと思うのが、発音(pronunciation)の8点というスコアだと思う。

 

実際、英語は途切れ途切れに言うと、めちゃくちゃ発音が不自然に聴こえるのだ。

 

そういう意味では、Q&Aの点数と比例するのは納得である。

 

一方、語彙と文法が7点と、一見低く見えるが・・・。

 

実はこの7点が合格ラインである。だからぶっちゃけ、どうでもいいっす。

 

ただそれだとあんまりなので、原因を分析する。

 

自分の言いやすいようにQ&Aの練習を繰り返していたので、確かにそれらのレパートリーは少なかったかも。

 

思いつくのはそれくらいだ。

 

振り返ってみれば、合格のためには、以下のプロセスがとてつもなく効いたと思えて仕方がない。

 

①テキストの例文を音読しつつ、自分にとって違和感のある表現や理由は変える。

 

②苦手なテーマに関する答えはあらかじめ作っておく。

 

③テキストを2~3周したら、CDを使い、模擬面接の練習をひたすら繰り返す。

 

僕自身、自分の学習が『仕上がった!』と思えたのは、試験一週間前である。

 

この時点では、どの質問がCDから流れようと、すぐに答えが閃くか、別の理由を英語で言えるかくらいの出来になっていた。

 

そのくらいできれば、超絶アガリ症でない限り、まず間違いなく大丈夫である。

 

―分析はこんなもんであろうか。では最後に、僕のプロフィールについて。

 

僕は普通の市立小学校を出て、市立中学校に進学した。

 

高校の偏差値はざっくり50そこそこ。大学で学んだのは経済学であり、英文科などとは無縁であった。

 

留学経験はない。帰国子女でももちろんない。何なら、中学1年まで、英語を学習したこともない。

 

そんな僕でも、何故か不思議とここまでこれた。今思い返せば、本当につくづく不思議で仕方がない。

 

人見知りを趣旨としたものからめっちゃズレたが、ここに書いたことが誰かの役に立てばとても嬉しい。

 

足掛け6000字、気づけば原稿用紙15,6枚くらいの文字数になってしまった。ま、いいか。

 

二次試験まであと少し。皆様の合格と、格別の喜びを味わう瞬間を、心から願っています。

 

※準1級シリーズはこちら↓ 

hitomishiriteki-jinseikun.hatenablog.com
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