『冗談』が昔から苦手だ。
どう発信して良いかというのももちろんだが、どう受け止めてどう返すのが正解か、もうすぐ30歳なのにまるでわからない。
というか未だに、何が冗談で何が本気なのか、その区別が全くと言っていいほどついていない。全て字面通りに受け止めて、一喜一憂する。そして疲れる。
さて。『冗談』の恐ろしいところは、言葉のチョイスを間違えれば大事故になり、返しに失敗すると場が恐ろしいほど白ける点だと思う。
この人間社会で円滑なコミュニケーションを行うためには、『冗談』に対する押し引きのセンスは必須であるとさえ感じてしまう。
今日はそれについての悪戦苦闘の日々、そして打開策について、まとめてみようと思う。
『冗談』が分からない人間のめんどくさい日々。
まず具体的に、『冗談がわからない』とはどういうことかを述べる。
一番特徴的なのは、『場面も文脈も関係なく、発言を字面通りに受け止めること』とだろう。
すごく親しい友達と酒を飲もうが、会社の人と談笑しようが、全く持ってお構いなし。
場面がどうあれ『お前は結婚無理だろうな~』とか言われれば、そうなんだと思って落ち込む。いやぁ、ガチでめんどくさい。
別の機会では、『俺、辞めるわ』と上司に言われたことがある。これは今思えば本当に軽い気持ちの冗談なのだと分かるのだが・・・。
その時は本当にそうだと思って、ガチな『マジっすか?』を返してしまい、逆に謝られてしまったこともある。
また、こないだ『家のハムスターってサイズ的に投げやすそうだね』みたいな謎の会話をするカップルを見たとき、すこし憤ってしまった自分が居た。
あー、もう。マジで生き辛い。こんな面倒な僕と交流を持ってくれる人たちに、ひたすら感謝している。(そして同時にすいませんとも思っている)
『冗談』というのは本当に、本当に、本当にめんどくさい。30年近く生きてるのに、マジでわからない。もはや病気なのだろうか。
―そんなことを考えている折、書店である本を見つけ、誇張抜きで心臓が『ドキン!』とした。
「まさか・・・・・いや、でも、あり得るのか・・?」
ということで、以下僕が見つけた本と、そこに載っていた『ある症状』をご紹介。
『冗談』が理解できないのを特徴に持つ、ある症状。
それはこの本だ。
―先に誓って言っておくと、僕は『アスペルガー症候群』をディスる気などさらさらない。純粋に、『自分もそうかも?』という驚きで引っかかっただけだ。
さて。帯の辺りをよく見ると、『特徴』として挙げられているものの中に、1つ気になるものがある。
"冗談が通じない"
おお、ここだけ切り取れば僕の話ではないか。そして、『アスペルガー症候群』について色々調べると、以下のサイトを発見。
その中に、僕がさっき書いたこととドンピシャな説明があり、トムとジェリーみたいに目玉が飛び出そうになった。
コミュニケーションの障害アスペルガー症候群では知的能力の発達に遅れはありませんが、言葉の使いかたが独特であるため、他人との意思疎通が難しい場合があります。
本などで覚えた難解な言い回しを使う 文脈や、間接的な表現を読み取ることが苦手で、相手の発言を文字通りに受け取る ユーモアやお世辞、皮肉や比喩を理解することが難しい
色眼鏡だろうが、結構僕の特徴に当てはまる。実をいうと、ゲームや漫画の印象的なセリフ、場面がドンピシャなら無性に言いたくなるという感じはすごくわかる。
―だが別に、耳から入ってくる情報処理は不得意じゃないので、当てはまったりそうじゃなかったり、という感じなのだろうと思う。
・・・うーむ、薄々もしやとは思っていたが・・・。となれば、ただ経験値が無いだけの人のノリで努力をしても無駄そうだ。
僕なりの訓練法を考え、実践し、検証しなければ、この壁はクリアできまい。あぁ、めんどくせぇなぁ。
だが、良い大人だし、ある程度の分別は付けれるように鍛えた方が良いだろう。
ということで、以下試してみようと思っている『我流訓練』について、2種類ほどまとめてみる。
どうすれば『冗談』を分かるようになれるのか?
①マインドフルネス思考の体得
まず、『すべての事象・発言を自分事と思う思考のクセ』から意識して脱却する必要がある。
そのためによく取り上げられているのが、『マインドフルネス思考』である。
少しアバウトだが、『様々なネガティブや事象を、ただ外から眺める自分』をイメージする感じだという。
つまり、『自分が何かしらの感情に囚われていること』をすぐ自覚し、『意図的に感情や感覚をニュートラルに戻す』のが、その内容だと思う。
さて。このトレーニング法の代表例は『瞑想』である。
最近何故か寝る前なのに神経が高ぶっていることが多いので、それをクールダウンするという目的も兼ねて、しばらく挑戦してみようと思う。
②ブラックジョーク集を読む
裏に隠された本当に言いたいことを悟る。その訓練として、『ブラックジョーク集』を読み漁るのは『効果的』だと勝手に感じている。
ブラックジョークとは、超簡単に言えば、『人種・宗教・エロといったタブー視されがちなネタを言外に含むジョークのこと』なのだが・・・。
百聞は一見に如かず。実際に一例を紹介。
悪魔が弁護士の事務所を訪ねてきて、商売の話を始めた。
「いい話がありますよ。あなたの収入を5倍にしてあげましょう。
共同経営者には大事に扱われますし、クライアントにも一目おかれるようになるでしょうね。
年に4ヶ月は休暇もどうぞ。100まで生きられるようにね。
ただ…報酬としていただきたいものがあるんです。
奥さんの魂と、お子さんたちの魂、更にそのお子さんたちの魂全てを、未来永劫、地獄で苦しめさせていただきたい」
弁護士は少し考え、答えた。
「話がうますぎる。」
―解説は野暮なのでしないが、こういうのがブラックジョークだというのをお分かりいただければと思う。
ここで経験値を稼いでおけば、実際のやり取りでも理解できる日は遠くない・・・
と信じている。
終わりに。
最後は少し話がブレた気もするが、『冗談がわかる』というのは極めてセンスが求められる話なのだとよく分かる。
どんなにガリガリでも適切なトレーニングを積めば筋肉は付くように、センスが無かろうと多少は訓練で補えるはずだろう。
それを一縷の望みとして、僕は面倒な性格と折り合いをつけていく。
では、今日はこの辺で。