自己啓発書を開けば、100%と言ってもいいくらいの確率で載っている文言がある。
『自分に自信をつけるためには、小さな成功体験を重ねましょう』
というものだ。正直、僕はこれについて、あまり響いていなかった。
人生は大成功を収めない限り、ひっくり返らない!
そう思っていたためだ。
―だが、いくら受験を突破しようと、資格を得ようと、実績を重ねようと評価されようと、僕は自分で自分にダメなところを突き付けては、それらを消してしまった。
いわゆるインポスターシンドロームだ。正直、へっとへとに疲れた頃合いで、再び上記のフレーズに出会うことになる。
『自分に自信をつけるためには、小さな成功体験を重ねましょう』
―僕が憧れる実業家がいる。その方も言っていた。僕が尊敬する社長がいる。その方も言っていた。
―ここまで言われるってことは・・・・これ、ガチなんじゃね?
ふとそう思った僕は、色んな本に登場する『小さな成功体験』とやらを再読し、その実例をストックしては、ちょこちょこと実践するようにした。
でだ。そんな日々を意識して、そろそろ1年が経つ。
もっと早くしておけばよかったなぁああー
ってくらい、自分に自信がついてきているのがわかる。正確には、『やるじゃん俺』と思う回数が、明らかに増えたのだ。(個人の感想です)
ネガティブほど、人見知りほど、小さな成功体験を積むべきだ!今日はそれをテーマに書いてみる。
壮大な夢のダークサイド。
壮大な夢を持つことは、どこまで有益なのか。かつての僕は、それができれば勝ち組で、そうじゃなければもれなく負け組という認識を持っていた。
だから別に本音はそうじゃなくても、年収はアーダとか、出世スピードはコーダとか、無駄に頭を抱えては、そうじゃない現実に苦悩した記憶がある。
―今は実は逆であり、敢えてデカい夢は持たないようにしている。理由は簡単で、僕はそっちの方が幸せだからだ。
デカい夢をネガティブが持つとどうなるか?想像に難くないが、まずそれを叶えていない現状や、捧げてきた努力を、失敗や無駄とみなしがちである。
簡単に言えば、東大を目指してがむしゃらに勉強している時期は、受かれば全て良いものの、落ちれば例外ゼロでダメとみなすという感じだ。
―こういう考え方に凝り固まると、仮に夢が叶っても幸せは無い。現状維持はクズなのだから、すぐ次の大きな夢を探しにかかるのがオチだ。
それが見つかるまでは、夢が無いので自分はクソ。結果、馬車馬のごとく夢を求めては何かを見失う人生が見え透いて仕方がないのだ。
そして僕は、強くそれを抱きがちな性格。自覚など無茶苦茶ある。だから壮大な夢―具体的には10年以上先の夢―など、最近は意識して捨てている。
時折会社からのレポートでそれを求められるが、無いものは無いので、【結婚してたいっす】みたいな適当な夢を書いて終わりにしている。
―では、こういう実は壮大な夢に相容れない人は、一体どうするべきか?もちろん、より一層の努力を傾けるのも一つの手だが、僕は違う道を選んだ。
それこそ、『小さな成功体験を重ねましょう』というアレである。続いてはそれについて書いてみよう。
毎日夢が叶う。
小さい夢を持つと、それを大きくするのを強要する人がいるが、僕はそういうアツさは全力でスルーする。理由はさっきも書いたが、それは僕には相容れないからだ。
その代わりに、何かしたいことがふと閃いたら、とりあえず最速最短でそれを叶える方法は何かを考えるよう、意識づけて行動している。
例えば、『美味い漬け丼が食いたい』とふと思ったとする。だが、近所に漬け丼を出す店は無い。ではどうするか?諦めるか?
いや、まだ手はある。正直レシピを忠実に再現すれば、味は割と近付けるのだから、僕なら嬉々として自作する。
夢は叶うし、経験値はたっぷり得られるし、何ならコストも抑えられるしで、良いこと尽くし!
こういう行動を繰り返すと、ふと気付くときがくる。
『夢、毎日叶ってんじゃん』
みたいな。
自論だが、今はデカい夢一つを追いかけて『人生』を形作る生き方は、あまりマッチしていないと考えている。世の中が猛烈な勢いで変化し続けているためだ。
その代わり、小さい夢を小出しで叶え続けることで、気付けば『人生』という一本道が出来上がる生き方の方が、僕はしっくりくるような気がしてならない。
『あれをしたい!』『これが楽しい!』という風に、その都度その都度ハマっては飽きる。それを繰り返した果てに、多分アイデンティティは浮いてくる。
そう考えているので、僕はやっぱり、毎日叶えられる程度のデカさの夢を、メインで追いかけたいと思うのです。
おわりに。
ってことで、『小さな成功体験』を意識し行動することで、自分の自分に対する見方が変わる。
具体的には、『おお、意外と俺、できるじゃん』という等身大の自信が抱けるのだ。或いは、未知のことや失敗に対する不安が和らいでくる。
ではどうすることがコツかというと、したいことを閃いた時、どうすれば最速最短最安で、それに近い経験を積めるのかを考えるのが良い。
例えば人にモノを教えるのが夢なら、まずはボランティアで宿題を教えてみればいい。そんな感じである。すぐに大学受験を見据えるのはちょっと・・・・。
要は、夢と欲を超細かく切り刻み、日々せっせとさっさと叶え続けろという話だ。それにハマれば、気付いた時には見える世界が変わっている。
珍しくスピリチュアルな話になったが、参考になるところがあればありがたし。では今日はこの辺で。