2020年は実際の所、平和には終わらなかった。かなりパンチが効いたトラブルが2件降りかかったからだ。
片方は、遠回しに言えば『顧客同士』のトラブルである。一応行司役としていなし、現在は鎮火に持って行ったところだ。
もう片方は、完全にコチラに非があるトラブルで、電話口で猛烈に怒られ、今は長文の謝罪メールを送り既読スルーの状態である。中間管理職のジレンマだぜ。
だから実際、僕は『2020年は終わったよ!さぁ、気持ちを切り替えて2021年だ!』なんて気分に浸っている場合じゃない状態だ。
とはいえ、これは将棋で言うところの、僕が打った手に対し相手が長考に入っているタイミングと同じなので、悶々として体育座りしながら過去を反省するのもまた違う。
ーここで閃いたのは、最近読んだ本に書いてあった名言だ。
『どんな困難も乗り越えられる。それを解決しようと努力し続けている限りはな』
おお、なんと勇気が出る名言だろう。僕はこれを素直に信じる。
・・・では、この困難における『解決策を見つける努力』とは何だろうか?どう考えても、菓子折りもって土下座に行く、とかではないのは確かだ。
話をまた将棋で例えれば、本当にやったら追放されるだろうが、どんな手があるかを予習しておくというのが、ルールを無視すれば一番の行動だろう。
今回のトラブルに対する返答待ちの状態は、将棋に似ているが、将棋ではない。手を打った後で次の手を何にするか、知識をストックすることは悪でもなんでもないのだ。
よし、決めた。僕は『謝罪』について、心理的メカニズムを徹底してまとめることにする!!
大ポカをバネに、謝罪の能力値を爆上げしてやろうという魂胆だ。でなければ僕は、中間管理職として潰れて終了、精神科医のお世話に"また"なることになる。
ってことで以下、どれくらい長編になるか読めないが、続きである。
基本編:とりあえず『科学的に最高な謝罪』を知ってみる。
『謝罪』に関する研究なんかあるんかしらと眉唾だが、調べたらちゃんと出てきた。※今回は参考サイト数が膨大になったので、それらは文末にまとめて載せておきます。
それをざっくりまとめると、以下の2要素があれば及第点なのだという。
①自分に責任があると受け止めること
②その後で解決策を伝えること
―なるほど。自分に置き換えてみてもわかるが、『しっかり反省していることが伝わり』、かつ『解決策まで言われたら』、もうこちらは返すセリフが無い。
もちろんいちゃもんが得意な人であればさらにネジ返して割引とかそういうのをふんだくる作戦もあるが、基本はここを外してはならないとみて間違いなさげ。
―ちなみに、最悪な謝り方についても紹介されていた。それは、
💩ひたすら自分は悪くないと強調すること
だという。確かに、こういうヤツは非常にめんどくさい。なんなら、地獄の底まで怒り倒してやろうかなと思うくらい、イライラしちゃうのではなかろうか。
後は、誠意を見せる狙いで『ひたすらに謝る』なんてのもあるが、これまた『メンドクセー』という評価に終始するため、あまり意味はないのだという。
やはり基本は、『自分に責任があることを明確に打ち出す』ことと、『解決策を必ずセットにすること』にあり。ここはしっかりと押さえておくべきだとわかった。
―詳しくは語れないが、この観点で言うと、僕のご家庭への謝罪の内容は間違っていなかったような気がする。詳しくは言えないけど。
・・・しかし、この時点ではまだ、ただ『基本』を覚えただけである。将棋で言えば、『矢倉』の組み方を覚えただけ、という状態に等しい。つまり、戦えない。
基本となる『知識』を得た今、積み重ねるべきは『実践的テクニック』だ。ということでここからは、ビジネス系の記事でよく上がるアドバイスを列挙し、考察する。
標準編:『ビジネス』における最適解を学ぶ。
続いては『ビジネス』の現場での謝り方のケースをストックしよう。少し考えればわかるが、世の中謝罪が必要な場面だらけだ。ミスから始まり納期遅延も然り・・。
色んなケースがあったが、面白かったアドバイスとして、『怒っている人の感情の流れ』というのがあった。簡単にご紹介。
- 責任を認めて謝ってほしい
- 問題を解決し、誠意を見せてほしい
- 事態の大変さを認識してほしい(軽く考えないでほしい)
- 反省してほしい
謝罪の言葉の選び方!ビジネスでの謝罪の仕方と例文 [話し方・伝え方] All About
あー、確かになぁ。僕も実は短気なので、ここに書いてある流れはよくわかってしまう。(かといってクレーマーでもないけど)
また、今まで何度かめちゃ怒られた経験を思い起こすと、これらを求めていることが仄めかされたワード・フレーズが、確かにあった。新発見だ。
―この後も『ビジネス』における話は色々と調べたが、結局は『非を認めたのちは傾聴・共感をベースに怒りを鎮め、最後に解決策を述べる』という話らしい。
確かに、入社して早々の研修で聞かされそうな話だとは思った。知っておいて、損はない。
応用編:プロが使うレトリックを知る。
しかしやっぱり、世界は広い。実践的な心理術・交渉術に長けた人の著書を読んでいると、きれいごとでは収まらない交渉術が見えてくる。
今回みたいな対顧客で、かつこちらに非がありまくる場合はなかなか使えるものがないのだが、軽く一例を紹介しよう。
まず、『謝罪』の際、第三者の目を意識するというのがそれだ。つまり、勝手にバトルフィールドを広げ、オープンにするのだ。
すると、不思議な現象が起こる。例えば、顧客が不利益を被って怒っている状況で、延々と『申し訳ないです』と謝っている人がいたとき・・・。
『あんなに謝ってるのに許してあげればいいじゃない』という同情票が入ることがあるのだ。
それをダークに意識できれば、もはや『謝罪』という名の『仕返し』である。僕はこんなことはやらないけど、武器に転じさせるなんてすごい話だ。
その他にも、『降りかかる火の粉を分けるような謝罪をする』というのもそうだろう。例えば他の人の名前を挙げて、勝手に巻き込むというダークなやり方もあるらしい。
こっから先は本気でグレーな話が満載だが、謝罪そのものの奥深さが垣間見えた気がして、少しだけ面白かった。
―さて。やっぱりまだまだ謝罪メールに対する既読スルーは続いており、次はどういう手を打つかやはり考えあぐねてしまう。
しかし少なくとも、これをくよくよ悩み続けたり自責したりというのは絶対に違う。
『どんな困難も乗り越えられる。それを解決しようと努力し続けている限りはな』
これを胸に、解決まで頑張りぬこう。ただし気に病まない程度に。
では今日はこの辺で。
資料編:参考文献・サイト一覧。
https://www.imh-sol.co.jp/column/special/complaint-handling.html
(↑※なぜかプレビューできず)