精神年齢はクッソ低いけど、実は4つ下の弟がいる長男っ子、中元です。
そんな弟から、最近不穏なメッセージが届いた。
『実家の犬が認知症になって、その世話で母が弱ってる。様子をみてほしい』
・・・実は認知症のくだりは知ってたんですよね。年始にこの目できちんと見てきたし、四六時中とは言わないけど、一度スイッチが入ったらずっと吠えるというか。
どの程度か知らないけど、最近それが一層酷くなり、精神をゴリゴリ削っているくらいなのだという。
介護による精神疲労の激しさは知っていたが、体験したことは無い。未知のことに恐怖を覚えるのは当然であり、母親思いの弟が心配するのも当然だろう。
あいつは今まだ緊急事態宣言が除外されたばかりの県にいるため、僕にお鉢が回ってきたということだ。
正直どのくらい酷くなっちゃったか、そしてどれくらい疲れているのか見ないとわからないので、その上で結論は出したいと思うが・・。
わざわざ実家に帰って窮状を見て、『大変だね』と同情するのは個人的な考えだが愚かだ。せっかくなら手段を持って帰りたい。
ってことで今日はそんなお話である。
共感より対策を。
ぶっちゃけ言うと、どういう問題を抱えているかは割と分かっている。例えば夜遅くや朝早くに吠え散らかして、睡眠が思い切り削れるといった症状だ。
そしてここに関して、犬の方を制御することは無理だ。それこそ鎮静剤を外部から注入するしかないのではなかろうか。(調べたらそれも難しいらしい)
"予後"を読んでいくと非常に胸が痛くなる話が並んでいたので止めてしまったが、こちらが打てる手が無いか考えた方が良さげである。
ぶっちゃけ究極の手段は犬を手放し、世話してくれる施設を探し、定期的に会いに行くことかなと思う。僕はそれも覚悟しているが・・・。
世話で母を殺すくらいなら、僕はそういう手を取りたい。だが、多分それに対し首を縦には振らないだろうな。
では次にどうするか?後に僕ができるのは、そのメンタルのダメージを弱めてくれるような手を用意して渡すことしかないと思う。
例えば、今ぱっと閃いたのは極めて遮音性が高い耳栓を買ってあげることだ。
そして、メンタルの疲労を取り除く効果が高いハーブによるサプリ。この辺かなと。
後はどうやら昼間に構ってあげまくると、夜は寝てくれるということもあるそうだ。これは帰省した時、やってあげようかな。
―実は時を同じくして、そういう状況だというのは父親からLINEが来て知っていた。どうやら長いこと実家に帰れていない弟が犬の様子を知ったのは、それが始まりらしい。
息子二人が長い間家を空けて、支えになるはずの犬が呆けて、確かに辛いところもあるだろう。ここは長男らしいことをしないとな。
やはり書いて、調べて、行動を決めると、心が落ち着く。頭の中だけでは辛くて仕方がない現実も、違った目線から解釈できる。
―こっから僕の具体例からいったん離れて、もっと抽象論なことを書いてみる。
ネガティブが人に優しくしたいなら、同じ目線に立ってはダメだ。飲み込まれる。他者の苦労を背負っても、救われる人間は多分いない。
以下、そのお話を書いていく。
共感能力が高いことの罠。
自慢ではなく自嘲的な意味だが、僕は記憶力が良いと思う。だって、昔のネガティブな経験が濃いまま薄れてくれないし、折に触れてそれがフラッシュバックするからだ。
こないだもマジで自分に引いたのだが、とある携帯のポップアップ広告を一瞬目にしただけで、過去に不良に絡まれた思い出がぶり返し、心にダメージを負った。
連想されて脳に仕舞われた記憶は強いというが、僕はネガティブがあらゆるジャンルを超えてあまりにも強く結びついているため、こういうことが頻発するのだ。
特にインターネットにおけるネガティブなニュースはそれのトリガーになることが多く、死別・フラれた過去・離縁・トラブルなどの記憶がすぐに想起される。
・・・断言するが、表面化している・いないはさておき、こういう状態の人は絶対に少なくない。
となれば、ヘタに苦しむ人に共感しようと頑張るのも考え物である。どこまでもそれに浸かってしまうためだ。
ー例えば、僕は小説を滅多に読まない。理由は、感情移入の次元じゃない深さで、ネガティブな描写を憑依させてしまうためだ。
登場人物が死ぬとき、僕は祖父の葬儀の記憶がフラッシュバックする。ヒロインが別れを切り出すとき、僕は過去のフラれた経験を濃く追体験する。
また、誰かが不良等にぼこぼこにされる描写があったとき、僕は誰かに身体や勉強で負け続けた過去の記憶や感情を、あの当時の濃さのまま呼び起こしてしまう。
似ているかいないかはさておき、僕は共感を通り越して体験してしまうのだ。それがあまりにも重く、楽しさに基本勝ってしまうため、僕は小説をあんまり読まないのだ。
ネガティブが強すぎると、簡単にその思考に囚われる。囚われるというか、そのネガティブな想像の住人になってしまうのだ。
現実の世界が見えない程、自分が想像し得る最悪の世界、最悪だった記憶に没頭する。それはもう、本当にその世界に住んでいると形容した方が適当だと思うくらいに。
FFⅩじゃないが、自分が呼び出した夢にずっと生き続けるような感じである。ただしその夢は、ただ苦しいだけの世界なのだが。
・・・ってことでだいぶ脱線したので話を戻す。こんな風にネガティブが強ければ、共感に留まらず自分のネガティブに浸かる可能性が高い。
となれば、誰かの悩みに寄り添おうとしたばかりに、不幸な人間が倍になるという残酷だが滑稽な結果が待っている。
共感能力があることや、それを鍛えることを否定する気はないが、それは一歩間違えばこんな漆黒の闇が大口を開けて待っているのだ。リスクは承知しておいてほしい。
ってことで次は、他者のネガティブに対しどう接するのがベターが、超ネガティブ筆頭格の僕から提案を具体的に書いていこう。
正しい『傾聴』を勉強して練習しよう。
実は『正しい傾聴の仕方』ってのは、体系的なテクニックが存在するという。
もちろん知っているだけでは使い物にならないが、それを知った状態を作らないと練習もクソもない。まずはこの記事をじっくりと読んで欲しい。
・・・その上で僕自身も仕事柄『面談』とかでこれらを意識することがあるのだが、特に以下のポイントを守ると、反応が非常に良いと感じている。
① 話の切れ目切れ目に確認の質問をする『~ということですか』
② 相手の感情を言語化する『~ということですよね』
正直これらのポイントは面談を100回近くこなしてやっと意識を回す余裕ができてきた類の物なのだが、これができると「聞いてくれた」と強く思ってくれるらしい。
そもそも、自分に対するネガティブの対処法としては、『筆記開示などで正体を掴む』ってのが代表的な手段である。
となれば、相手のネガティブをはっきりさせるのが聴き手の仕事なのは至極当然なのである。
ちなみにこのためには【小説】などをみっちり読み込んで、感情の表現方法をストックすることが大切なのだという。
うーむ、僕は先述の通りこの辺が苦手なので、仕事で使う読解問題をたくさん解くことでカバーしようかなと考えている。
参考にドウゾ。
まとめ。
ってことで乱暴にまとめる。
ネガティブが強いほど、相手のネガティブに引きずられてメンタルを病むので、"切り離す"という意識が大事。
そんな話である。あくまで変えられるのは自分だけ。相手のネガティブに染まっても、多分誰も救われない。
そうであるならカウンセラーは全員鬱病になっていなければオカシイ。そうじゃないってことは、そうじゃないってことである。
では今日はこの辺で。