GW中で暇なので、久しぶりに読書感想文を書いてみようと思う。今回選んだのは【微差力】だ。
この世はすべて「微差」が大差を生む。それをテーマとした本だが、決して難解な言葉遣いや思想ではなく、読むだけなら1時間も掛からずに終わるかもしれない。
それでいて、世の中を見る視点がガラリと変わる程、学びや示唆に富んだ一冊である。では具体的にどういう中身なのか以下簡単に説明する。
決定的に何かが違うのではなく、圧倒的に微差が積み重なっているという。
まず、この世は微差が大差とはどういうことか。これは、あらゆることの1位と2位の知名度の差を考えてみるとすごくわかり易い。
例えば日本一高い山は富士山であるが、日本で二番目に高い山は何かご存じだろうか?
かくいう僕も知らなかったので調べてみたら、山梨県の北岳がそうなのだという。
―では、富士山と北岳の標高差は圧倒的なのかというと、その差は600m程度だという。結構差があるとは思うが、思った以上に極端ではないとも思った。
1位と2位は、実のところほとんど差は無い。しかし、1位であるかそうじゃないかで、知名度などの部分で圧倒的な差がつけられる。これこそ、微差が大差たる所以なのだ。
オリンピックの金メダリストは言えても、銀メダリストは言えない、まして銅メダルとなると・・というのと同じ話だ。その差は0.1秒とかの世界なのに、だ。
ただし、世の中の仕組みを考えると、これこそが自然の理なのだという。何か一つが抜きんでているのではなく、微差の積み重ねにより、大差が生まれている、と。
例えば人は自分のコンプレックスをひっくり返そうと思うと、一発逆転を狙おうとする。貧しさに苦しむ人が、さながら宝くじを当てようとするように、だ。
それがなぜうまくいかないかというと、自然の理に反しているからに他ならない。まずは自分が改善できる細かな課題を発見し、そしてそれを全速力で解決する。
女性にモテないのなら、まずはロレックスやベンツを買う前に、清潔感は十分か考えたり、言葉遣いを改めたり、身体を引き締めたり、できることは結構ある。
仮にそれが上手くいかなかった場合は、一人さん曰く「ハイ次」なのだそうだ。どうすればもっと良くなるかというメガネで世の中を見て、問いをいっぱい発見する。
それを100マス計算の如く一気呵成に解いていく。そしてそれを繰り返し、繰り返し、何度も繰り返し、そして微差が閾値を超えると、大差となって表れるのだ。
この考え方は、僕の気質にすごくマッチした。どうすれば自分の人生が豊かになるかはもちろん、どうすればお客さんが増えるかという問いも、前向きに受け止められる。
そうやって前向きな問いが頭にあると、「どういうことだろう」とワクワクしながら世の中を観察できるようになる。
例えば流行っている学習塾の外装に何か共通点は無いかじぃっと観察し、閃いたら早速それを自分の塾に当てはめる。
こんな風にフットワーク軽く、単純な問題をいくつ、かつ素早く解いてきたかが器の大きさに寄与するとしたら、なんと夢がある話ではなかろうか。
わかり易い要素が大差を生むのではなく、微差が大差を生むのである。人生に一発逆転は無いが、いくらでも上っていく方法は存在する。
「努力しなければいけないのはわかってる、しかし大変なことをするのは気が引けるし、怖い」という人に、本当にオススメの一冊だ。
繰り返すが、読むだけなら本当に1時間弱で終わるほど、内容は簡単で、文字数・ページ数も抑えられている。
読書の習慣が無くて尻込みしてしまう人も、この本であれば心配しなくて大丈夫だ。では今日はこの辺で。