僕はネガティブだけど、それなりに充実した人生を生きたいと思う。

「ネガティブ」で片づけず、自分の観察を続けたい。

正直だるい『愚痴』を有意義に使いこなすコツを伝える。 ~面倒な愚痴の心理と使い道を探ろう~

『愚痴』について、いいイメージを持っている方はいないと思う。実際、話す側ならまだしも、聞かされる側となれば、確かに気分は良くないことだろう。

 

ちなみに辞書によれば、『愚痴』の定義についてこう書いてある。

 

言ってもしかたのないことを言って嘆くこと。

 

―そもそもの定義から、あまり好ましくないモノというオーラが出まくっている。やはり愚痴は、一般的にも『良くないもの』という意味合いが強いらしい。

 

だが僕は、『愚痴』を完全に否定しきることはどうにも難しいと考えている。

 

なぜなら、『愚痴』を言うことにも、聞かされることにも、考え方次第で大きくプラスの面があると思えるからだ。

 

ということで今日は、僕の『愚痴感』についての説明をベースに、『愚痴』について論じてみようと思う。

 

 

  

『愚痴』を言っちゃう目的にも、ざっくり3種類ある。

 

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まずは、『愚痴』を話したくなる心理について考察しよう。色々な『愚痴』を聞いてきた結果、僕は極論、『愚痴』には3種類あると考えている

 

順に説明していく。

 

①『不幸自慢』

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まず、拗らせているパターンから。『嫌われる勇気』に書いてあるのだが、コンプレックスの一種として『不幸自慢』というものがあるという。

 

該当箇所は結構言葉が強くて面白いので、丸ごと引用する。

 

不幸であることによって「特別」であろうとし、不幸であるという一点において、人の上に立とうとします

 

―この説明を基に、今まで受けてきた『愚痴』の内容を思い出すと、合点がいくところはないだろうか。僕は山ほどある。

 

例えば、

 

A『今の職場、マジブラックよ・・上司もクソだしどうしたらええん・・?』

 

僕『マジドンマイじゃね・・いっそ転職とか考えたら?』

 

A『それがそうもいかんのよ・・お前みたいに楽しく働けてるヤツがうらやましい・・』

 

みたいな。僕自身は受け流すのが得意なので平気だが、この手の『愚痴』を吐く人は、助言を基本的に受け入れてくれない

 

この思考の人が求めるのは、『かわいそうな私にかわいそうと言って』とか、『同情を集めて特別になりたい』とかそういうモノだ。

 

つまり、特別であろうとしたいがために、手段がこじれてしまったタイプである。

 

SNS上で他者を心配させるようなことや自責コメントを流し、イイネとかをもらいまくるのも似たようなタイプ。

 

・・・ハッキリ言うが、この手の『愚痴』をまともに受け止めても、まず良いことはない。いっそ聞き流す方が健全だ。

 

ということで、この手の『愚痴』だと悟ったら、相手に助言をするといったお節介は諦めて、ひたすらガス抜きをさせる側に徹しよう

 

②『思考の整理』
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別のタイプに、『思考の整理』として『愚痴』を使う人もいる。(僕もどちらかと言えばコレ)

 

面白いもので、『悩みは人に話しているうちに勝手に解決するものだ』とよく言われる。実際僕もその通りだと思う。

 

僕自身、どう見ても詰んでると思ってたタスクを上司に相談していたら、その最中に解決策を閃いて勝手に解決してしまい、呆れられたことさえある。

 

こういう経験がある人ほど、『愚痴』に見せかけて、『自分の思考の整理』をしていることが多い。

 

この場合はあくまで考えをシンプルにしようとしている状態なので、これまた助言や、別の選択肢を示すのは避けた方が良いと言える。

 

だからこのタイプの場合、相手が『言ってきたこと』の要約などを返すに留めて、基本は聞き役に徹した方がベターである。

 

さて。では、一体どの部分から、このタイプだと見抜けばいいのか。

 

基本、自分が話題に必要なければ、『思考の整理』とみて間違いないと僕は考えている。

 

例えば、こんな感じ。

 

B『今実施中のプロジェクト、日数がカツカツなんだよな・・予算も余裕があるとは言えないし。』

 

僕『そうらしいですね。』

 

B『ただ、〇〇を△△に変えれば、ある程度まで切り詰められそうかもなぁ。日数も、よく考えれば、思っている以上にタイトじゃないし。』

 

といった具合で、『俺、要らないじゃん』と思えるような論理展開であれば、この『思考の整理』型と考えてよいと思う。

 

さてさて。ここまでは、ぶっちゃけこちらが聞き役に徹していれば、良くも悪くもトラブルなく過ごせる例たちである。

 

だが、最後の3種類目には、ちょっと気を付けた方が良い。下手すれば、かなり面倒なことにも巻き込まれ得る。

 

それは何かというと、『承認』型である。このタイプには気を付けるべし。

 

③『承認』

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 かなり少数派だが、『愚痴』を他者から『承認』を得るために使う人間もいる。これはどちらかというとグレーな使い方だ。

 

C『今の責任者、ぶっちゃけ業務が抜けまくってるよな・・。お前もちょっとあれは無いなと思っちゃうだろう?

 

C『最近仕事が多すぎるよな!お前もキツくない?上司に言ってやろうかな。』

 

C『厄介な作業を抱えてるんだよな・・。どうにもなりそうにない、今度もまた休日出社せんといけないかも・・。』

 

下線部に注目だ。自然に、だが念を押すように、こちらに『承認』を求めていることが感じられる

 

何の気なしに『はい』と返事をすると、それを『言質』に使われてしまう可能性があるのだ。

 

〇〇もあなたの仕事ぶりには不満そうです!』『〇〇も仕事量の多さに疲労困憊です!』という風に、進言の際に共犯ぽく使われることもあるだろう。

 

ちなみに一番最後のは、同情を誘い、コチラに仕事を振ろうという魂胆があるとみていい。

 

あなたが聖人のごとき優しさを持った人なら、いくらか肩代わりしてあげればいいけど、僕ならそれは嫌なので結構身構える。

 

こういうタイプであれば、明確な返答をしないくらいしか自衛の術は無い

 

例えば、自分の意見ではなく、上手い事対象をすり替えるなど、のらりくらりと立ち回ろう。以下、返答例。

 

C『今の責任者、ぶっちゃけ業務が抜けまくってるよな・・。お前もちょっとあれは無いなと思っちゃうだろう?

 

→僕『多分、僕らが見えてないところで大変なんでしょうね。』

 

C『最近仕事が多すぎるよな!お前もキツくない?上司に言ってやろうかな。』

 

→僕『繁忙期ですからねぇ。特に何が忙しいんです?』

 

C『厄介な作業を抱えてるんだよな・・。どうにもなりそうにない、今度もまた休日出社せんといけないかも・・。』

 

→僕『ご自愛なさってください・・。残業時間がある程度超えたら過労死ラインですからねぇ。』

 

―相手はイライラするだろうが、こちらは身を守れるので万々だ。

 

さてさて。ここまで、『愚痴』の種類について述べてきた。僕は上記の3パターンがメインだと思うのだが、いかがだろうか。

 

では次に、これらを踏まえて、少しダークな感じだが、『愚痴』を『利用』する手段を提案する。

 

意識して使うには練習が要るものの、手持ちの武器として持っておくのは大いにアリかと。

 

では、以下ご紹介。

 

ちょっぴりダークな愚痴の使い道。

 

①有益な情報を引っ張り出そう。

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基本、『愚痴』は自制しない限りとめどなくあふれてくるもの。なので、早く終われと思いながらも、他人の『愚痴』はなかなか止まらない。

 

しかしこれをポジティブに解釈すれば、『愚痴』が出れば出るほど、相手の『失言』の可能性も高まるということだ。

 

コンプライアンス上絶対に暴露できないが、『愚痴』を延々と聞いていたら結構爆弾レベルな会社の秘密を聞けちゃったこともあるくらいである。

 

ただただ一方的に『愚痴』を聞き続けるのは辛いハズ。そういうときは、『愚痴』に含まれる玉石混交の情報に意識を向けよう

 

『なるほど、あの人との仲はあまり良くないのか』『この部署の状況、実はこんななんだ』

 

意外と情報通とされる人は、『愚痴』の聞き上手だったりもする。相槌などを工夫し、有益な情報を引き出す時間に変えれるか、挑んでみよう。

 

②『愚痴』のはずが『感謝』にすり替わる結びの言葉。

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『愚痴』の言いっ放しはかなり危険だ。不思議なもので、誰かに対する苦言は、巡り巡って本人に届くことが多い。

 

人づてに自分の評価を聞いたとき、人はポジティブな方でもネガティブな方でも、直接聞くより何倍も強くそれを感じるのだという。

 

つまり、『〇〇がお前のことをちょっと悪く言ってたよ』と誰かにチクられれば、当人からの評価が激減するとみていい。

 

それを防ぐにはどうすればよいか?特に、酒席などで口が滑った際のリカバリーは、どうにもできないのだろうか?

 

実は、その辺は『結びの言葉』でどうとでもできるらしい。

 

例えばこんな感じ。

 

『まだまだあいつは引っ込み思案で、仕事が遅くて困りものだよ。』

 

で終わると、ただの苦言。ここで言う『あいつ』が聞いたら、落ち込むことは請け合いだろう。

 

では、これを『結びの言葉』で何とかしてみる。

 

『まだまだあいつは引っ込み思案で、仕事が遅くて困りものだよ。でもミスと抜けが少ないから、結局助けられてるんだけどね。

 

・・となる。不思議なもので、『苦言』が『感謝』に早変わり、である。

 

性格がひねくれてない限り、人は基本良いニュースを伝えるものだ。

 

だから、この『愚痴?』を聞いた人は、ここでいう『あいつ』に、『感謝』の部分だけを伝えるとみていいと思う。

 

流石に全てをチャラにはできないが、フレーズを一つ足すだけで心象が大きく変わる、面白い例ではなかろうか。

 

終わりに。

 

ということで足掛け4000字、『愚痴』について書き殴ってみた。

 

最初でも言ったが、僕は一概に『愚痴』を否定する気はない。自分だって吐いちゃうことはあるし、何なら利用法だってあるし、というのが理由だ。

 

ここに書いたことが、皆様の『愚痴観』に新たな目線を付け加えられていれば、僕としては大変嬉しい話である。

 

ということで今日はこの辺で。