「諦めなければ夢は叶う」に始まり、「成功するまで続ければ失敗しない」とか、「全ての物事には理由がある」といった自己啓発ワードは、実のところこの世に溢れている。
「そうか、そうなんだ!よっしゃ、頑張ろう!」とエネルギーを充填し、また荒波に飛び込める人も確かにいる。
「どうせ無理やし」といって何もしない人を見ると、確かに熱い感じMaxで受け取った方が人として遥かに高みに昇れるのは違いない。
でも、正直なところ、僕は最近字面通りにそういったメッセージを受け取らなくなってしまっている。
一部そのままストンと腑に落ちるのもあるが、大体は僕の中でネジ曲がり、多分こういう意味じゃないんだろうけどという考えを抱えたまま、落とし込む。
では、僕(ら)のような人見知りネガティブは、名言をどう解釈してしまうのか。
うわぁ、と思われても構わないのでここに記そうと思う。
これは失敗ではなく、成功の途中なんだ。
これに似たニュアンスの言葉はたくさんあるが、ざっくりと言えば同じことを伝えたいのだろうなと。
失敗に負けず、世間的な成功のラインまで頑張れば、確かに最終成績は成功であり勝ちである。
ここがどうにも腑に落ちない。
10000回失敗しても最後が成功なら成功!にしても、大抵の人間はそこに至るまでに最低でもイジけるし、最悪うつ病になりそうな気がする。
数学の難問レベルまで行くと、解ける方が稀だ。
生涯を捧げても、Wikipediaか何かに「解くことなく世を去った」と記されるのを見ると、よく分からない気持ちになる。
だから僕はこういうメッセージを聞くと、
「これは失敗ではなく、成功の途中なんだ。但し、本気でこれを叶えたいのであれば。」
という解釈を自分に加えるようにしている。
失敗が続いても、やり方を変えて再挑戦。
いわゆるトライアンドエラー。それを数回繰り返した辺りで考えることは、「撤退」か「続行」かであり、やり続けるかどうかは白紙である。
結果、手を引くことも多い。過去に将棋を覚えようとして挫折したときも、こんな感じで終わっている。
婚活とか就活とか、そういう人生の根幹レベルの事柄なら、成功するまで続けるべきだと思う。
だが、よく考えればどうでもいいことを数百回も失敗し続けるほど、ヒマでも頑丈でもないというのが一般人だと、僕は思う。
彼女ができないのは、それ相応の理由がある。
のだとか。確かにそうかもしれない。
では、アナタがこのメッセージを言われる状態だとして、どう受け止めるだろうか。
「確かに、積極的に出会おうともしていないし、まだまだ仕事も下っ端だしな。まずは俺の魅力を高めよう!」と思ったり。
「アイツみたいな野郎にあんな彼女がいて、俺にいないのはおかしい!今に見てろ!」と滾ったり。色々あるのではなかろうか。
でも最近僕は、どう考えてもこう思ってしまう。
「ここまで天の意図を感じるほど縁が無いのなら、他の人が恋愛だの結婚だのに投資する資本を、別のことに使えってことなんじゃね」と。
要は達観からの諦めである。しかし、その”別のこと”は依然として不明である。
独立しろってことだろうか?もっと大きな天命に生きろと言うことだろうか?どちらにせよ、僕の器を鑑みると、人選ミスも甚だしい。
人を頼るようにせよ。
優しそうに見えてなかなか僕は苦手なセリフである。
何故なら、僕にとって誰かを頼るのは、とてつもなくハードルが高いからだ。
「Aさんに仕事を手伝ってもらうには、どういえばいいだろう?」
「めちゃ機嫌悪そうじゃん・・・。言い辛いなぁ。」
「断られたらどうしよう。」
という要素が脳内を駆け巡り、結局は「自分がやった方が早い」に落ち着く。
僕は「体裁上」人を頼るようにしているが、実のところ言われた仕事は8割くらい僕の中で消化する。
極稀に頼ってしまうこともあるが、削られる体力と精神力は、自分が仕事を処理したのと同じくらい大きい。
とある本で読んだのだが、
- あなたに頼みたい理由
- 自分の現状
- 頼みたい内容
のステップで伝えると上手くいくのだとか。
例えば、
「○○のデータをお持ちだと聞きました。正直僕は業務が手いっぱいで、本日中という期限がかなり苦しいです。
そこで、Aさんにお願いしたいのですが、必要な資料を送って頂けないでしょうか?」となる。
最後も実は「送って」ではなく、「まとめて」にして、仕事を丸ごと振るべきらしいのだが、そんなことは罪悪感がすごいので僕は出来ない。
最近気付いたのだが、この気質はヘタレも少々あるものの、大部分は自分の裁量で業務をこなしたいという僕のエゴイズムである。
人にお願いするのが苦手の理由が、「怖い」というより「めんどくさい」である。
今のところ心身ともに健康で問題は無いが、精神のゲージはガリガリ持って行かれているのを感じるので、早め早めに直していきたい。
最も、下っ端を卒業しなければ、僕はいつまでも仕事を振られる側なのだけれども。
終わりに。
ネガティブここに極まれり。
常日頃からカッコよく言えば思索にふけっていると、辿りつく先は大体こうなる。
テーマによってはネガティブ極めて一周したものもあるが、それは別の機会に書ければいいなと思う。
もっとも、僕は熱いメッセージは嫌いではない。
むしろ好きであるが、身の丈に合わないものを自分に合うように変えているという話である。結局のところは。
とりあえず今は何となく尾崎放哉の句集が読みたい。
今日もまた、こんな良い月を一人で見て寝るのである。
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