『ドンマイ!切り替えていこう!』
という言葉があまり好きじゃなかった。何と言うか、人の苦しみも分からずに呑気な奴め、とさえ思っていたくらいだ。
ミスしたとき。怒られたとき。この言葉をかけられる場面はそんなところだろう。
言いたいことは分かるのだが、実践するにあたって、全く腑に落ちないのが面倒なところだ。
こういうのが上手な友達に聞いてみたが、『やっちまった手前仕方ないじゃん』とか、『まぁいいやで何とかなるし』という回答ばかりであった。
それが出来たら苦労しないんですよ。僕は僕に仕方ないという投げやりを許さないし、また、まぁいいやと受け入れることもできない。
ネガティブを拗らせた人間に、そういう能天気なことは響かないのである。
―だけど、最近ようやく、『切り替える』の意味が分かって来た気がする。
意味さえ捉えられれば、訓練することも可能。少し光が見えてきた。
今日はその辺について、つらつらとまとめたいと思う。
『切り替える』とは?
結論から言うと、僕は『集中している対象を切り替えること』だと思っている。
どういうことか。
やらかしたときなんかは、基本【自責】に集中しているものだ。落ち込んでいる人の脳内を言語化できるとすれば、
『クソ』『ダメだ』『俺なんか』『なんであんなミスを』『どうしたらいいだろう』『もっと怒られたらどうしよう』
と言う風に、いたたまれない言葉でパンパンのハズ。
こういった思考で健全な判断ができるわけがない。だから、ジャッジを誤り、また別のミスを誘発。
うん、救いのないスパイラルだ。
一方、切り替えが上手な人と言うのは、『このネガティブスパイラル』から脱出するのがとても上手な人とも言える。
『事後処理についてしか考えない』とか、『やってしまった以上、どうにもならないから、目先のことに意識を向ける』とか。
これらは結局のところ、『うだうだ悩むという思考に囚われても良いことは無いから、別のことに意識を向けて集中し直す』という話だろう。
ただ単純に『切り替えろ!』と言われても困るのは当然の話だ。僕が欲しかったのは、『具体的に意識の矛先を向ける方法』だったのだ。
ということで今日はついでに、そういったネガティブスパイラルから抜け出す一助になる術を書き添えておこうと思う。
具体的に意識を切り替えるのに有用なツールたち。
①書いてみる
思考を言語化すると、心が落ち着くのだという。どうやら、あちこちでその効果が認められているそうな。
実際、やらかした後などのダメージを受けているときに、冷静に言語化してみると確かに心は落ち着く。
また、可視化さえできれば、事後処理も随分と楽になる。経験則としてそう思う。
適当な紙でも、Wordでも何でもいいので、悩みにハマったら一旦脳外に吐き出して、気持ちを『切り替えよう』。
②俯瞰で自分をみてみる。
よく、幽体離脱したつもりで、自分を上から見ているイメージで・・というアドバイスをもらう。
自分を客観視する訓練なのだとか。それを積むと、突発的な感情に自分を乗っ取られにくくなるらしい。
とはいえ、『俯瞰』は案外難しい。だから僕は、以下のように考えている。
自分を後ろから見て、コントローラか何かで操作しているイメージでしばらく(5分程度)過ごす。すると、案外こっちに没頭できる。(伝わったかな)
別の方に集中して意識さえ切り替えられれば、色んな手を打ちやすくなる。
俯瞰で自分をみるのも、『切り替える』のに有用だ。
③自然の中を散歩する。
自然の中を30分程度散歩すると、驚くほど気分が晴れる。これについては、ウダウダと説明することは無い。
恰好とかどうでもいい。好きな時間に好きなコースで、ただ歩けばいいだけだから。
何度もここに書いているが、悩みからの離脱はもちろん、クリエイティブなアイデアもいっぱい浮かんでくるので、極めて有益だ。
尚、仕事中など時間が作れない場合は、『自然音(波とか風の音)』を聴きながら、『雄大な自然』の写真を観るのがオススメである。
終わりに。
気持ちを切り替えるとは、ネガティブスパイラルから別の方へ集中し直す、ということ。
こう理解してから、実は嫌悪していたアドバイスがストンと入るようになってきた。
何事も解釈の仕方次第なんだな。今はただそう考えているわけで。
僕みたくポジティブ丸出しな助言が苦手な人の参考になれば、嬉しく思う。というところで終わりとする。