『リーダー』というと誰を想像するだろうか。
勇猛な英雄?合理的思考力を武器としたエリート?豪放磊落な鬼上司?それとも、非常に厳しい態度で仕事に臨むキャリアウーマン?
・・なるほど、なるほど。
間違っても、『ネガティブ』を浮かべる人はいないんじゃなかろうか。だから大抵、ポジティブな性格の人から出世し、人の上に立っていく。
こういう状態だと、『リーダー』そのものを諦める人見知りやネガティブは多そうだ。僕は一生二番手で良い。誰かの下に居ることこそが幸せなんだ、と。
・・・正直僕もそう考えていた時期はあった。だが今は逆。こないだ職場の全員の前で宣言してやったが、『チームを率いたいです』というのが現在の本音だ。
つまり、自分が『二番手でありたい』という思いが、本心なのか自己暗示なのか把握しきれていないネガティブって多分多いよなと、同じ側として思うわけで。
そしてその原因は、恐らく『世間が求めるリーダー像』が自分の性格と乖離しまくっているから、ただそれだけじゃなかろうか。
そこで今日は、『ネガティブなままでもリーダーになりたい』という同志に向けて、僕が搔き集めた知見を、体験も添えてご紹介する。
もちろんまだまだただのペーペーな若造だが、それなりにストックは出来ている。では行こう。
そもそもリーダーってなんだ?
まずはリーダーの定義から再考したい。まず、ネットでパッと検索して出てきた役割は、以下の3つ。
リーダーの仕事①:チームを引っ張り、まとめる
リーダーの仕事②:業務を管理する
リーダーの仕事③:メンバーを育成する
また、大企業の社長の定義だと、以下の通り。
リーダーは意思決定することが仕事であり、 それは重い責任を伴う決断でもあります。
有効な選択枝がないからとか、 情報収集が足りないとかいった理由で、 結論を先延ばしにしたり、 意思決定しないリーダーは 政府レベルでもたまに見かけますが、 辛い決断から逃げるのは、 職務怠慢ともいえると思います。
・・・ここだけ見れば当然だが、リーダーの条件に以下の要素は全く触れられていない。
①ネアカであること
②豪放磊落であること
③『俺についてこい!』と本気で言えること
こういう自信満々・天真爛漫なところは正直言って生まれ持った性格や才能なので、ラッキーな人だけ武器にして、どうぞという話なのだ。
それを踏まえ、コンパクトにまとめられた最初の3要素について、『ネガティブならでは』の実現の仕方を書いてみる。
ネガティブ式:リーダーの三要素。
リーダーの仕事①:チームを引っ張り、まとめる
たまにチームを引っ張るの意味を履き違える人がいるのだが、何も『俺の言うことに従え!』ではないのだ。昭和のスポ魂ドラマかよ。
藤田晋氏のブログの他の箇所でも触れられていたが、『引っ張る』のより正確な意味は、『努力できるようにゴールを可視化し徹底すること』だと思えてならない。
どこに行くか決めてないけど走れ!といって走るアホはいないのだ。これを僕が担当しているチームに当てはめるとどうなるか?
―当然だが、『成績をアップすること』が究極の目標であり、達成すれば関係した人全員がもれなく幸せになる理想郷である。
しかし、これは『アバウト』すぎる。また、期日も不透明で、何から手を付ければいいかも意味不明だ!
・・・てことで手前味噌ながら、僕がやってみて上手く機能した一例を紹介する。
① 現状の把握
② 目標点の設定
③ 現状と目標の差
④ 授業に集中できるよう業務のスリム化
・・・いちいち解説してたらキリがないので書かないが、これを僕が校舎の全生徒にヒアリングしたら、僕が過労死して終了する。だからここは、チームのメンバーに任せた。
またそうすることで、棚ぼただが、各人が強く『数値』に向き合うことになった。
実際、『ここが苦手で得点が伸び悩んでいるんですが、克服させるにはどうすればいいでしょう?』という相談も、結構増えた気がする。
良い質問が出ればシェアし、僕が受け持っていない生徒であっても、機会があれば話をする。また、授業に関係ないタスクは徹底して効率化・削除!
結構泥臭い努力だが、これが功を奏し、この冬の業績は自己ベストを更新、成績も良い感じで推移し、ご家庭からも結構感謝された。皆本当にありがとう。
―ってことで、『引っ張り、まとめる』ことに何もカリスマ性は不要なのだ。むしろ、小まめな根回しの方が大切に思えて仕方がない。
・・・ちなみに、組織内に不満分子が入ってきた場合はどうするか?コチラの意向を無視し、好き放題して荒らすタイプ。
こういう時はさすがに一種のサイコパス性が求められてくるので、きちんと勉強しておくことをオススメする。(体験済)
リーダーの仕事②:業務を管理する
ここはさっきと通じるが、僕は上司と軽く衝突しつつも、ほぼすべての連絡はLINE上で行っている。
記録に残るため、管理が楽だからだ。また、勝手に言質が残るというグレーな考えも少し乗っている。
組織内では一番人に依頼することが多い立ち位置だからこそ強く感じるが、徹底して楽な状態にまで砕かないと、人はアクションを起こさない!
逆に言えば、人が動かないとき、その理由はそれがめんどくさいからである。根性論で発破をかける前に、ラクに出来ないかを考えた方がベター。
では、ラクとは何か?今のところ僕が出している仮説は、『ペーパーレス化』だ。アプリを使用し、データで記録が残るようにした結果、格段に遂行率がアップしたためだ。
情に訴えて全員をバリバリ動かすリーダーもいるが、それが絶対じゃない。皆の仕事をラクにして、管理しやすい形式で管理することもまた、仕事なのである。
・・・ちなみに、普段自分が必死こいて集めているデータについて、『管理する必要がそもそもあんのか』という疑問の目を持ってみても面白い。
僕はそれでこっそり仕事をいくつか放棄したのだが、今のところそれで怒られたことは無い。つまり、そういうことなのである。
リーダーの仕事③:メンバーを育成する
ここも履き違えが多いテーマだと思う。これもまた、何も自分色にチームを染めるとか、皆を集めて勉強会とか、そういうことではないからだ。
僕はこのテーマについて、非常にシンプルに考えている。つまりは『裁量を渡して仕事を振り分ける』ってことじゃねぇか、と。
得てして、成果に乏しく、チームのメンバーも育たないときは、良くも悪くもリーダーが非常にワンマンで、色々抱え込んでいることが多い。
僕もかつてそのジレンマに陥っていたが、一度いよいよ無理となり、人に仕事をお願いしまくったことがある。
最初は引継ぎで少しエネルギーを持っていかれたが、先行投資としてそれさえ行えば、後は非常にスムーズな割り振りが可能となった。
そして依頼された側は、内容次第だが、すごく差っ引いて考えればスキルとして色々得られるわけで。(例えばExcelの関数とか)
つまりここもまた、豪放磊落さとかは不要なのである。要るのは結局『少しの勇気』。以上!
終わりに。
ってことで、基本的なことを書いた時点で文字数が3000となってしまったので、一度ちょん切ることにする。
次回は『ネガティブがリーダーシップを取るための心理的施策』みたいなのをまとめる予定。例えば、『カリスマ性以外で人を動かす心理』とか。
タイトルにも書いたが、別にポジティブじゃなくても、ネアカじゃなくても、豪放磊落じゃなくても、『リーダー』にはなれる。 ―ただ、方法が違うだけなんです。
そんなメッセージが伝わっていれば嬉しい。
つづく!!