僕はネガティブだけど、それなりに充実した人生を生きたいと思う。

「ネガティブ」で片づけず、自分の観察を続けたい。

ネガティブが挑む、自分を変えてみようWEEK! 第一回・断酒編 

自分自身について見つめ直した時に、僕は弱点と同時に強みではないかと思える点に気付いた。

 

それは、『自己への執着が薄い』というものだ。僕は自分にとって不要なものは、気づいた端から捨てることに抵抗はあまりない。

 

また、自分に無くても、必要とあらば、それの習得に向けて努力することにも抵抗はあまりない。

 

そして基本、その性格は負の向き一辺倒に見えて、実はプラスに作用してきたことも十分多いと感じている。

 

それこそ、マイナスに走ったがばかりに人生で損した分を十分ペイできるほどに、だ。

 

せっかくなら、この気質を活かした日々やその結果を、文字に残してどんどんと蓄積していきたい。そう考えた。

 

―ということで今回から、新しい企画と題し、『自分を変えてみようWEEK』なるものを始めることに決めた。

 

ルールは簡単。自分がやってみたい、あるいはやる必要がある事柄に、1週間向き合う。ただそれだけだ。

 

その日々を、なるべく文字に残すよう努力しつつ、記事にまとめるというのが趣旨。なるべくメンタル面の感想も、生々しい内に書き留める。

 

結果、チャレンジというものに対し、二の足を踏んでいる同志に、勇気と言えば大げさだが、前例を作ってあげられればなぁ、というのも狙いである。

 

さて。では、記念すべき第一回、僕は何に取り組んだのか?

 

それは、『断酒』だ。経緯とかその辺は、本文にまとめていく。では、以下続きかつ詳細である。

 

 

  

序章

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成人してからというもの、僕はお酒の虜になった。一度死の瀬戸際に追い込まれた焼酎を除いては、大体の酒の味が好きである。

 

とはいえ、大学在学中は過度な飲酒をすることも稀で、毎日酒を飲むといった習慣も無かった。

 

加えて、『飲みたい!』という欲が爆発することも皆無。お酒と良い距離を保ち、向き合えていた記憶がある。

 

だが最近は事情が違う。社会人となり、年齢が30に近付くにつれて、自分の飲酒欲をコントロールできなくなっているのだ。

 

思い返せば、この3か月で、2日以上酒を止めたのは1回しかない。この1ヶ月も、20日以上確実に飲酒している。

 

結果、慢性的な疲労が溜まり続け、身体はたるみ、お腹の調子もずっと悪い。僕はお金と時間を投資し、身体を壊し続けているのだ。

 

―いい加減、この不甲斐なさと向き合わないとダメだ。このままでは、永遠に酒を飲めない身体になる。そんな危惧を覚えている。

 

実は最近、禁煙に成功した。それは『何となく』で止められたが、酒はそんなんじゃ無理だ。具体的な作戦と、地道な継続が要である。

 

―この記事は、僕が10年近くにわたって愛飲し続けたお酒と、適切な距離を取れるようになるまでの日々をまとめたものである。

 

最初はガチの論文みたいな構成で書こうかとも思ったが、面倒なので止めた。僕の主観で、僕に効き目がある方法を実践し、ここに記録していく。

 

対策

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一番効き目のある対策を立てるため、自分自身の『飲酒欲』を徹底して分析することにした。

 

つまり、自分はどのタイミングで酒を飲みたくなるのかを調べたのだ。すると、ある程度の傾向に絞ることができた。

 

A ある程度の負荷のタスクを終えたとき

 

B 空腹のとき

 

C 夜寝られないとき

 

 

勿論日によって差異はあるが、おおむねどれかのトリガーがあり、僕は酒を飲んでいる。

 

そういえば、むしゃくしゃしたとか、そういう強いストレスの結果暴飲という記憶は、実際無い。

 

もっと日常的なところに、僕をお酒に向かわせる諸々が潜んでいると分かる。・・・となれば、あとは具体的な手を打っていくだけだ。

 

そこで今回は、心理学において望ましくない習慣を減らす効果が高いとされる『If-thenプランニング』を使うことに決めた。

 

やり方は簡単。例えばAのケースなら、『ある程度の負荷のタスクを終えて酒を飲みたくなったら、代わりに好きなポテチを食べる』といった具合だ。

 

その都度意思の力で弾くのではなく、自分ルールとして自動的に処理していく。無駄なエネルギーは使わないに限る。

 

こんな具合で、Bなら『空腹のときは、とりあえず何か食べる』であったり、Cなら『夜寝られないときは読書をする』といった具合で考えはまとまった。

 

また、全てのマインドセットとして、『酒に呑まれた人間の末路』をじっくりと読み込んだ。恐怖のイメージを抱ければ、負の感情だが強い自制心となる。

 

僕は特に、『肝硬変』とそれによってこの世を去った人のドキュメンタリーが強く心に刺さった。青ざめるレベルで血の気が引いた。

 

肝臓を大切にしよう!と100回唱えるより、『肝硬変』の記録を一読する方が、遥かに効果はある

ja.wikipedia.org

 

手放しにオススメはしないが、お酒と距離を置くには超即効性のある方法だと思う。

 

―さて。ここまでで事前準備は終了だ。次項では、実際に取り組んでみての経過を日々加筆していこうと思う。

 

観察記録

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 この項では、断酒の日々を送ると、人間はどうなっていくのかをまとめていく。

 

11月12日(火)

 

今日からいつぞや以来の断酒生活に入っていく。前回は5月に8日程度のそれに成功したが、そこからは長期の断酒に失敗し続けている。

 

自分へのプレッシャーをかけつつ、また健全に欲を霧散させるため、こうしてできる限り言葉にしてみようと思う。

 

昨日はストロングゼロを700mlほど空けて上機嫌になった。下の住人の甚だ迷惑な大声の歌も、寛容できるほどに。

 

後、恐らくその隣の住人が怒り目に壁を叩いていた。歌は止んだが、いずれ喧嘩になるのではなかろうか。まぁ、僕を巻き込まなければどうでもいいのだが。

 

閑話休題。今日もまた帰り際にハッキリと飲酒欲が湧いた。恐らく達成感から来るそれだ。

 

そこで今日は、それに打ち克つため、外食を自分に許すことに。久しぶりに食べる牡蠣が乗った卵とじ丼が美味で、満腹になると飲酒欲も消えた。

 

結果こうして、かなり穏やかな気持ちで日記を書けている。下の階のヤツ、黙らねぇかなと少しだけイラつきながら。

 

ただ、経験上分かるが、鬼門は明日だ。2,3日目と押し寄せる強めの飲酒欲(離脱症状の1種らしい)とどう戦うか。

 

今のところ、明日も明後日も帰りしなに何かを食って帰ろうと考えている。少しばかり痛い投資だが、治療費に比べれば安上がりだ。

 

さて。もう書くことは無い。大人しく読書してから、寝るとしよう。

 

11月13日(水)

 

危なかった。やはり2日目は鬼門だ。仕事が終わりに近づくにつれ、『断酒の誓いをうやむやにして飲んじゃえよ』と、自分の中の悪魔が囁く。

 

モラル・ライセンシングという言葉がある。簡単に言えば、『良いことをした後に悪いことをしたくなる心理』とでも言えようか。

 

今日は我ながら、なかなかの量のタスクを消化し、結構な数の無茶ぶりに応えてきた。

 

そういう頑張りがあったので、自分を許そうかという不健全な甘えが僕の心に湧いてきたのだ。

 

だが、ここは『If-thenプランニング』である。その心の声には耳を貸さず、今日も僕は外食に出かけた。

 

油淋鶏定食にご飯大盛。すべて平らげる頃には、きちんと飲酒欲が消えていた。

 

少しずつ勝手がわかってきたが、決して油断はできない。明日3日目もまた、強い飲酒欲が出てくるタイミングだからだ。

 

明日は何を食べて帰ろうか?先にそっちで手を打っておこう。

 

金は掛かるが、金じゃ買えない健康習慣のためだ。しばらくは、我慢して頑張ろう。

 

と言うことで今日はここで寝ることにする。

 

11月14日(木)

 

我ながら意外な状態なのだが、飲酒欲がついに出なかった。

 

正確には、仕事中はあったのだが、帰り際にすっとそれが消えたのだ。ほんの数日前にはアル中疑惑状態で欲していたのに。

 

少し怖くなったので、帰りにコンビニに寄り、酒のコーナーに立ち寄ってみた。眺めていると、色々な新しい味が出ていることに気付く。

 

しかしどうにも、『今日はいいかな』としか思えず、そのままスルーできたのだ。これは意外だ。

 

もっとも、次の日も油断できない状態ではあるが、流れは来ているし、離脱症状から抜け出られつつあるのも事実だと思う。

 

引き続き頑張っていく。

 

11月15日(木)

 

今日は仕事終わりではなく、業務時間の中間地点ぐらいに少しだけ飲酒欲が出た。

 

これが出ると具体的にどうなるかだが、脳内で必死に飲む理由を作ろうとするのだ。

 

『今日の仕事は少しストレスフルだったよなぁ?』とか、『いや、こんだけ頑張ったんだから・・』とか、そういう具合だ。

 

しかしそれらも、別の仕事に没頭している間に消えた。コンビニに寄っても、酒のコーナーに一切心躍らなくなったほどだ。

 

ちょっと前まで、毎日狂ったように酒を求めてたのは何だったんだろう。今は少し不思議な気持ちが出ている。

 

さてさて。明日の仕事が終われば、断酒にとって試練となる『休日』がやってくる。ここのマネジメントをしくじれば、恐らく酒漬けの日々がまた始まる。

 

気を引き締めて、また頑張ろう。

 

11月16日(土)

 

今日は仕事が週で一番しんどい日だ。だが、その内いくつかが棚ぼたで無くなり、割と体力が余った状態で業務終了となった。

 

タバコを止めたおかげで疲れを感じる度合いが減ったのもあると思うが、自分を労う必要性に駆られず、やはり今日も酒は要らない、となった。

 

ただ、腹は減った。スーパーの値切り品の中に美味しそうな総菜を多々見つけたので、今日はこれを食って寝ることにする。

 

明日は一応オフなのだが、実を言うとある発表モノを控えているため、資料の作成に午前を充てるつもりだ。

 

帰ってから昼寝をすると、多分夜寝られず、酒を欲してしまうと思うので、そこだけは注意しよう。

 

そうしよう。

 

11月17日(日)

 

休日の飲酒欲に抗う作戦を見つけた。『とにかく隙間時間をつくらない』というものだ。

 

今日は突然の仕事で午前~夕方が埋まり、そこから完全なる思い付きで夜釣りに出かけた。

 

もろもろを済ませて帰宅したのが大体22:00頃。コンビニで買ってきたご飯のうち、おにぎりと唐揚げだけ食べて、ゴロンと横になる。

 

まだしたいことが少しあったので、休憩したらそれに取り掛かろうと、ほんの少々目を閉じたつもりだったのだが・・・。

 

気付けばこうして、朝に日記を書いている自分がいる。ここまで自然な寝落ちは本当に久しぶりだ。

 

休日の攻略法も分かった今、僕はもう、再び酒に手を出しても大丈夫な気がしてきた。嗜む程度の意味が、今ならわかる。

 

月曜日は、自分にノルマを課し、それをクリアしたらという条件のもと、酒を解禁するつもりだ。

 

1週間・・・長かったのか短かったのか。キツかったのは、しいて言えば前半だけだったな。

 

もう1日、頑張ろう。そうしよう。

 

11月18日(月)

 

この日記は、19日(火)の朝に書いている。

 

とりあえず月曜日も普通に休日を満喫し、無事自分のノルマも達成したので、久しぶりに酒を飲んでみた。

 

―何と言うか、感覚を空けてタバコを吸うと滅茶苦茶マズく感じるのと同じで、酒を飲むことによる満足度は、驚くほど減っていた。

 

寝起きはやはり悪い。自分でも変なことを言うが、飲んだことを少し後悔している程だ。

 

ストレス解消効果としては、単に美味しいご飯を食べたり、或いは趣味に打ち込んだりで十分だと思う。

 

金も掛かっちゃうので、ガチでお酒は要らないかな・・と考えている。適切な距離を取るどころか、もはや止められそうだ。

 

少なくとも独り飲みは不要。これが結論である。

  

考察

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では、最終的なまとめをば。

 

1 『依存レベル』でなければ、酒の代わりに何かを使うことで距離は置ける!

 

2 キツいのは大体3日目まで。そこをクリアすれば、大体平気になる。

 

3 とりあえず体調的には、便通が良くなったといった恩恵はあり。

 

 

という具合だ。これは何も酒に限った話じゃないだろうが、特に意識しているワケじゃないのに常習的になっているのを止めるのは、学べることが多い。

 

『夢を叶えるゾウ』にも書いてあったが、何かを始めるには、何かを止めて時間を作る必要があるのだ。

 

僕みたいにしろなんて言わないが、『ちょっとやってみようかなぁ』という気に、少しでもなったのであれば、こちらとしては幸甚だ。

 

それでは足掛けざっくり5000字の地味な長編、ここまでお読みいただきありがとうございました。