今日の自分が仕事を頑張る理由は、終業後の一杯のラーメン。旨いけど身体に悪いものを流し込んで、自分を労いたいと思います。中元です。
さて。僕は結構意識的にカットするよう努力しているが、やはりこの世はネガティブな物言いにあふれていると思う。
例えば、凄惨な事件に巻き込まれた被害者を叩くコメントであったり、成功者を執拗に攻撃したり。
そういう黒く、重く、そして救いのない世界に目を向けると、本当に心が病んでいくのがわかる。ダークなエネルギーは、やはり最恐なのだ。
―そういった世界に沈まないようにするコツは、結構意外なところにある。そういった言動に、一応の理屈付けを与えてしまうのだ。
そして、それに納得する。こうすれば、そういうアンチな言動に対し、結構冷静な対処を当てることが可能になるのだ。
例を挙げる。赤ちゃんが大声で泣き叫んでいるとき、【知識】が無ければ、「うるさいな」とか「黙らないかな」とか「親は何をしてるんだ!」と思う方が多いと思う。
しかし、【赤ちゃんは泣く以外のコミュニケーションを知らないから】という言われれば当然のことを聞くと、多少はストレスが減るのではなかろうか。
ということで今日は、どろどろした言動の裏にある(とされる)思考や説について、簡単にご紹介しておこうと思う。
「あいつは実は悪人だからひどい目にあったんだ!!」
さっきも書いたが、大抵の凄惨な事件には、一定数の【被害者を叩く人たち】が存在する。(中にはわざわざ自分が何者かを紹介したうえでそうする人も)
例えばこないだとあるYouTubeちゃんねるで紹介されていた事件だが、夜遅くに高校生のカップルが暴漢に襲われ、男子の方が刺殺された未解決事件がある。
これについて、「不良だからでしょ?」「夜遅くに出歩くのだから当然」といったコメントが少なからず寄せられたらしい。なんというか、血の気が引く。
中には教職の方から、「不貞行為を礼賛する意図を感じ吐き気を・・」みたいな意見が出たというのもあった。正直、それに吐き気を催す。
さて。では何が、こういったコメントを書こうという気にさせるのか?面白いのが、【公正世界仮説】なる理論である。
話全てが面白いのでぜひ読み込んでほしいのだが、【公正世界仮説】を乱暴に要約すると、
【「この世は悪が罰されて、頑張れば報われる世界なんだ!」と強く思い込むこと】
という感じだ。これを強く信じていると、例えば「誰からも素晴らしいと言われる人が他殺されるようなことがあっては困る」のだ。
なぜかと言えば、いわゆる「理想的な世界」が壊れる反例になってしまうためである。だから、そこに、【罰される理由】を添えるような考えが生まれるのだ。
それが【被害者叩き】である。理想的な世界では、無実の人は殺されない。したがって、殺された被害者は、必ずそうなる落ち度がある。
意識的に、なのか無意識的に、なのか知らないが、そういう深層心理があると考えると、そういうコメントに繋がる理由も、なんとなくわかる。
・・・ちなみにこの【公正世界仮説】には、ちょっと興味深い側面がある。それは、立場が変わればすごくきれいにブーメランされるということだ。
誰かがお金を騙し取られたと聞き、「そういう人を見抜けたかったそいつが悪い」と言った人は、自分が金を盗まれたとき、自分が否定した側に行くことになる。
こういうところを考えても、「どうしてこの人はこんなひどいことを・・」なんて真面目に考えるだけ不毛な気がしてくる。
【この世は理不尽と矛盾だらけ】というのは、大人にならなくても何となくわかる。理想の世界を信じ続ける人は、そこから目を逸らしたい純粋な人達なのかもしれない。
【負の注目】を得たい人の悲しい心理。
ちょっと信じられない話だが、例えば自殺したアイドルに対し辛辣なコメントを投げる人が存在するという。当然、その人は他の方々にフルボッコなのだが・・。
超絶なサイコパスでない限り、いや超絶なサイコパスであっても、そういうことをしたら炎上するであろうことはわかるはずだよなと思わずにはいられない。
ここにある心理は何なのか?どうやら様々な気質が合わさって、こういった形で発露しているらしく、一言で【コレ!】と呼べるものは無さげであった。
ひろゆき氏曰く、「私より、既に死んだ人が注目されて、同情を集めているなんて許せない!という嫉妬」とのこと。もしそうなら、ちょっとゾッとする。
また他の解説を読むと、「ナルシスト気質が病的なゾーンに達しているタイプ」というのもあった。これまた、ゾッとする。
―そういう風に言い切りが難しいのは承知しているが、包括的な説明になってそうな理論が実はある。
アドラー心理学における、【負の注目】という考え方だ。
相手から注目されたいという欲求が強い人は、それをプラスに活用して努力する方向に活用できていれば問題が無いとされている。
例えば、名声を集めたいと思ってスポーツに邁進するとか、モテたいから仕事に力を入れまくるとか、そういう話だ。
―しかし、それがそういうプラスの方向にばかり作用するとは限らない。理由は、前向きな努力だからと言って、それが全て報われるとは限らないからだ。
努力しても、【現実】にへし折られる。報われなくて、辛くなる。これを重ねると、いつの間にかこじれて、マイナスの手段でそれを得ようとする人も出てくるのだ。
それが【負の注目】である。イメージし易いよう、具体的な行動を引用してみる。
・叱られることをする
・非行、犯罪、万引きなど
・引きこもりになる
・相手の都合の悪いことをする
どれもこれも、確かに注目は得られるが、確実に人も離れていく。離れると注目されなくなるから、さらに行動がエスカレートする。
前にも書いたが、いわゆる【劣等コンプレックス】と呼ばれる状態にも非常に近い。というか、ほぼ同じだと思う。
この原因は色々あるが、【自分は他者より劣っている】という主観が強く、かつそれが様々な要因で増幅したためという書き方のサイトや書物が多かった。
例えば人前で叱責されたり、ライバルに公然の場で負けたり、親から否定的な声掛けを延々とされたり・・・。
そういったところをきっかけとして、負の感情が増幅した結果、この項の最初に取り上げた例でいえば「私より注目されている!」という一点で攻撃対象になるという話だ。
たとえそれが、故人であったとしても。これはもう、暴走に近い。
敵を作るとしか思えない、心無いコメント。これを書き散らしている人がいたら、僕はもう「哀れみ」を抱こうかなと思った。
見下しているとかそんなんじゃなく、隠している胸の内が切なすぎるためだ。スルーするのが正解とよく言われるが、理由が今は理解できたので、実践できると思う。
終わりに。
ということで、調べながら僕自身がかなり学びが多い時間になった。もちろん不十分なところもあるだろうけれど、ある程度まとまったという自負もある。
携帯のポップアップ広告とかを見ていると、こういうアンチとされる行動を取った人を徹底的に後味悪く始末する漫画もよく流れてくる。(これもまた不快だが)
ただし、それはフィクションの中の話だ。ちょっと前に流行った本じゃないが、頭にきてアホと戦っても得られる利益は驚くほど少ないのだ。
もちろんその相手が同一の組織内にいるという場合であれば、別の手段を使って適切に戦う必要が出てくるかもしれないが、見ず知らずの人間なら話は別。
そういう冷静な気づきに、この記事が繋がっていたら嬉しく思う。
では今日はこの辺で。